23年モデルまでとは大きく異なり、24年モデルからは1モーターのRWDのみとなったC40。さて、その意図はどこにあるのだろうか。(Motor Magazine2023年10月号より)

一充電航続距離が590kmへと一段と向上

今回試乗したボルボのBEV、C40は、これまでフロントにモーターを搭載するFWDとフロントとリアにそれぞれモーターを搭載する4WDが揃っていた。しかしそれは23年モデルまで。最新の24年モデルからはリアに1モーターを搭載するRWDのみ用意されることになった。

画像: 「OK、Google」で起動するGoogleアシスタンスを搭載、音声認識システムはとても使いやすい。

「OK、Google」で起動するGoogleアシスタンスを搭載、音声認識システムはとても使いやすい。

このリリースが出たときに、これまでFWDだったものをどうしてわざわざRWDに変えたのか、そんな複雑なことをしたのか、疑問だったが、よく考えて見ればこれまで前後に搭載していたモーターを後だけ残したわけだからそれほど複雑ではなかったのだろう。さらにFWDからRWDになった分、ドライブフィールは向上しているのだからその果実は大きい。

そんな24年モデルのメリットは、航続可能距離にも現れている。23年モデルは502km(シングルモーター)/ 484km(ツインモーター)だったが、24年モデルは590kmへと伸びている。シングルモーター同士で比べても88kmも長くなっているのである。

これはかなり大きな進化と言えるだろう。その要因は、69.0kWhから73.0kWhとなったリチウムイオンバッテリー容量の増加だ。セル数は96個と変わっていないので、これはバッテリーの効率が上がったということである。

モーター型式もこれまでの「EAD3型」から「CCADE型」となり、最高出力こそ170kW(231ps)から175kW(238ps)とわずか5kW(7ps)アップだが、最大トルクは330Nmから418Nmへと88Nmも増えている。これは走りに違いをもたらせた。

これまでのシングルモーターでも力強い加速力にまったく不満を覚えなかったのだが、24年モデルはそれに加えて、大トルクで駆動しても終始安定、ケレン味のないスムーズな加速と速度が乗った時の安定した走行感覚が好印象である。

発生する大トルクを後輪でしっかり受け止め、さらにドライブフィールが向上。RWD化が実に理にかなった進化だと、ハンドルを握りながら改めて感じた試乗だった。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)

画像: 24年モデルはPlus(699万円)とUltimate(799万円)の2グレードが揃いどちらも1モーターだ。

24年モデルはPlus(699万円)とUltimate(799万円)の2グレードが揃いどちらも1モーターだ。

ボルボ C40 リチャージ プラス アルティメット シングルモーター主要諸元

●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:2010kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:175kW(238ps)/4000-5000rpm
●モーター最大トルク:418Nm/1000rpm
●一充電走行距離:590km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:前235/45R20、後255/40R20
●車両価格(税込):739万円

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