この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第58回目は、スポーティさで魅力を振りまいた軽自動車、ダイハツ フェローMAX SSの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

当時の軽として最強のエンジンは40psを発生

 昭和45(1970)年4月、ダイハツ・フェローはフルモデルチェンジでボディを一新。駆動方式もFRからFFに転換、車名も「フェロー MAX」としてデビューした。

画像: ロングノーズ&カムテールのボディスタイルが特徴的だ。ドライバーの着座位置はスポーツカーのように後輪近くになっていたのもポイント。

ロングノーズ&カムテールのボディスタイルが特徴的だ。ドライバーの着座位置はスポーツカーのように後輪近くになっていたのもポイント。

ロングノーズ&カムテールのボディは2ドアのみで、サスペンションはフロントがストラット、リアはセミトレーリングアームの4輪独立式となった。

昭和45(1970)年7月には、スポーツ系のトップモデルとしてSS(スーパースポーツ)を追加。搭載エンジンは水冷、2サイクル2気筒、356cc、ツインキャブのZM5 型で、最高出力は40ps。ミニカ70SS /同GSSの38psを抜く、軽自動車ではもっともパワフルなエンジンとなった。最高速も120km/h、 0→400m加速は19.8秒を記録している。

装備もナルディタイプの木目ステアリングホイールにタコメーター、スポーティホイール、コンソールボックス、デュアルエキゾーストパイプなどを標準装備としたSS(スーパースポーツ)のほか、S(スポーツ)も設定。

こちらは同じ40psエンジンを搭載しながら、装備を簡素化したモデル。標準モデルはシングルキャブ仕様の33psのZM4型を搭載する。 

画像: ミニカ70GSS、ホンダN360T、フロンテSSSに対抗したのがフェロー MAX SS。ツインキャブを装着し最強の40ps/7200rpmの最高出力を発生した。

ミニカ70GSS、ホンダN360T、フロンテSSSに対抗したのがフェロー MAX SS。ツインキャブを装着し最強の40ps/7200rpmの最高出力を発生した。

昭和47(1972)年、SSは排出ガス規制に対応してデチューン版のZM13型、37psに換装、標準モデルはZM12型の31psとなった。

さらに昭和50(1975)年2月、37psのZM13型は廃止、31psのZM12型のみとなりSS/Sも消滅した。軽自動車は高出力、高性能化から大きく方向転換していった。

ダイハツ フェローMAX SS(L38型)諸元

●全長×全幅×全高:2995×1295×1295mm
●ホイールベース:2090mm
●車両重量:465kg
●エンジン型式・種類:ZM55型・直2 2サイクル
●排気量:356cc
●最高出力:40ps/7200rpm
●最大トルク:4.1kgm/6500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.20-10 4PR(135SR10)
●新車価格:39万8000円

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