6月22日から23日にかけて2024 スーパーフォーミュラ第3戦スポーツランドSUGO東北大会が行われた。チャンピオン不在の中、混戦模様となっている今シーズン。シリーズで最もテクニカルなスポーツランド菅生で激しいバトルが期待されたが、悪天候によりレースは12周で中止となった。(文:河村大志/写真提供:日本レースプロモーション)

平良響がITOCHU ENEX TEAM IMPULからデビュー

画像: スーパーフォーミュラデビューを果たした平良響。

スーパーフォーミュラデビューを果たした平良響。

国本雄資とテオ・プルシェールという布陣で今シーズンに挑んでいたITOCHU ENEX TEAM IMPUL。しかし、開幕戦終了後、プルシェールがインディカーシリーズへの参戦を決め、早々にチームから離脱することになった。

第2戦ではベン・バーニコートがスポット参戦し、第3戦以降のドライバーに注目が集まっていたITOCHU ENEX TEAM IMPULは、平良響の起用を発表。今大会からスーパーフォーミュラデビューを果たした。

平良は昨年までスーパーフォーミュラ・ライツに参戦し、今季はスーパーGTをメインに活躍している。テストでは走行経験があるものの、それでも国内最高峰のスーパーフォーミュラへの参戦は大変な挑戦になることだろう。

第4戦以降のシートは未定としているTEAM IMPUL。平良にとってはわずか1戦のみのチャンスを掴みたいところだ。

画像: 平良の初めての予選はQ1 Aグループ10位。決勝は粘りの走りを見せれるか。

平良の初めての予選はQ1 Aグループ10位。決勝は粘りの走りを見せれるか。

予選が重要な菅生ラウンドでTEAM MUGENがフロントロー独占

画像: Q1で共にトップタイムを記録したTEAM MUGEN。

Q1で共にトップタイムを記録したTEAM MUGEN。

22日14時から開始となった予選はQ1 Aグループからセッションが行われた。このセッションでトップタイムをマークしたのは開幕戦で優勝した野尻智紀(TEAM MUGEN)。フリー走行で下位に沈んだ野尻だったが、パーツの一部をチームメイトの岩佐歩夢(TEAM MUGEN)のものを使用し改善した。

2番手にスーパーフォーミュラのみならず、スーパーGTでも絶好調の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、3番手には午前中にクラッシュを喫したものの、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入ってみせた。

フリー走行でトップタイムを記録した大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)は4番手、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が5番手、山下健太(KONDO RACING)が6番手に入り、上記6名がQ2進出を果たしている。デビュー戦となった平良はグループ10番手でQ2進出とはならなかった。

続くQ1 BグループではこちらもTEAM MUGENが最速タイムを記録。前戦ポールポジションを獲得した岩佐は好調をキープし、同グループトップでQ2進出を決めた。2番手には僅差で大嶋和也(docomo business ROOKIE)、開幕戦でポールポジションを獲得した阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が3番手、以下、小高一斗(KONDO RACING)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)までがQ2進出。

印象的な復帰を果たした山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)はグループ7位でQ1敗退というドラマもあった。

ポールポジションが決まるQ2でもTEAM MUGENが躍動。岩佐がQ1でのタイムを大きく更新しトップタイムを記録するが、そのタイムをチームメイトの野尻が更新。1分05秒244を記録し、逆転でポールポジション獲得となった。

画像: 今季初のポールポジションを獲得した野尻。

今季初のポールポジションを獲得した野尻。

TEAM MUGENは今季初のフロントロー独占、3番手には坪井が入った。この結果、野尻は3ポイントを加算し獲得ポイントが26に。ドライバーズランキングで単独トップに躍り出た。

2024年 スーパーフォーミュラ 第3戦 予選結果(Q2)

1. 野尻智紀(TEAM MUGEN)1'05.244
2. 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)1'05.364
3. 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)1'05.500
4. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1'05.633
5. 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)1'05.764
6. 山下健太(KONDO RACING)1'05.789
7. 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1'05.862
8. 大嶋和也(docomo business ROOKIE)1'05.932
9. 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1'05.952
10. 小高一斗(KONDO RACING)1'06.061
11. 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)1'06.433
12. 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)1'41.764

悪天候、クラッシュの影響でレースは12周で終了

画像: 雨が降り、霧が立ち込める中、セーフティカー先導でレースはスタートした。

雨が降り、霧が立ち込める中、セーフティカー先導でレースはスタートした。

決勝日となる23日は生憎の雨。午前中に行われたフリー走行ではフロントロースタートの岩佐、ウォームアップでは山本がクラッシュするなど荒れ模様に。山本のクラッシュによりガードレールの修復が必要となり、スタート進行が遅れることになった。

濃霧の影響もありスタートがさらに遅れ、予定より1時間遅い15時35分からフォーメーションラップがスタート。決勝はSC(セーフティカー)先導で開始された。

5周目にSCが解除され、6周目から各車加速。しかし、大嶋が最終コーナーで単独クラッシュを喫し、早くもSCがコースインする事態となった。

13周目に再びスタートが切られるも、阪口が大嶋と同じく最終コーナーでクラッシュ。このアクシデントによりレースはSCではなく、赤旗が掲示された。

結局、ガードレールの修復に多くの時間を要すること、そして安全面を考慮し、レースは再開することなく終了することとなった。

12周で終了した今大会は、規定周回数に達していないため、入賞者にはハーフポイントが与えられている。

2024年 スーパーフォーミュラ 第3戦 決勝結果(トップ10)

画像: トップ3は順位変動なく、表彰台は予選の並び通りとなった。

トップ3は順位変動なく、表彰台は予選の並び通りとなった。

1. 野尻智紀(TEAM MUGEN)12周
2. 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)+0.674
3. 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)+1.550
4. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+2.719
5. 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)+3.056
6. 山下健太(KONDO RACING)+3.638
7. 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+5.150
8. 小高一斗(KONDO RACING)+5.247
9. 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)+5.789
10. 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)+5.917

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