アクシデントを回避して3位以内を狙う作戦をとったノリス
タイトルを争う3人がポールポジションから3番グリッドまでを占めた最終戦。絶好のスタートを切ったのはフェルスタッペンだった。続いてノリスがターン1に入ったが、1周目の終盤にはひとりハードタイヤを履くチームメイトのピアストリにあっさりと道を譲って3番手に後退。ノリスがこのレースを優勝ではなく、タイトル獲得圏内の3位を確実に狙っていく戦略であることがこの時点で明らかになった。
ノリスはその後、4番手を走るルクレールに差を詰められる局面はあったが、タイヤ交換前の第1スティント、ハードタイヤに交換後の第2スティントもしっかりとフェラーリとの差をコントロール。一歩一歩悲願に近づいていく。

絶好のスタートを切ったフェルスタッペンを、マクラーレンの2台が追う展開に。フェルスタッペンとノリスはミディアムでスタートし、ピアストリはハードを選択していた。
フェルスタッペン快勝もノリスにわずか2点届かず
一方、フェルスタッペンは危なげなく首位をキープ。ミディアムからハードへのタイヤ交換機に戦略の違うピアストリに一時首位を走られたものの、42周目にピアストリがピットインして首位に復帰すると、その後は敵なし。大きなリードを保ったまま、今季8勝目のチェッカーに飛び込んだ。
しかし、その後ろからピアストリ、そしてノリスのオーダーで2台のマクラーレンもフィニッシュ。この瞬間、ノリスがフェルスタッペンを2点差で振り切り、初のワールドチャンピオンとなることが決まった。
「絶対に泣かない」と決めていたというノリスだが、フィニッシュ後はしばらくヘルメットを脱げず。その後のチャンピオンインタビューでは「マックスもオスカーも本当に強敵だった。ここまで夢を実現するため、長い長い旅をしてきた。まず、マクラーレンのみんな、ここまで支えてきた家族に感謝したい。みんなを笑顔にできて本当によかった。それが何よりも嬉しい」と、愛されキャラらしいコメントでシーズンを締め括った。

アブダビGPのウイナーはフェルスタッペンだったが、この日の表彰台の主役はノリスだった。

シーズン半ばまで、タイトル争いをリードしていたピアストリだったが、終盤のポイント取りこぼしが響いてランキング3位に終わった。
新レギュレーションで実施される2026年のシーズン開幕戦オーストラリアGPは、3月8日、メルボルンのアルバートパークサーキットで開催される。
