グローブをした手がハンドルに密着する不思議な感覚
自動車運転免許証を取得してから今日まで「ドライビンググローブ」を着用してクルマを運転したことは一度もない。そもそも、その必要性を感じたこともなかった、今回取材するまでは……。そう、今回紹介する商品は「ドライビンググローブ」。
先日、弊社の通販事業部にクルマ関連商品の売れ筋動向を聞いたところ、年間を通して売れているのは「ドライビンググローブ」という事実を知った。なぜ売れる? その理由を探るために、さっそく試してみた。
今回紹介するドライビンググローブは、香川県さぬき市に店舗を構える“カカザン”の「ハーフフィンガー グローブ DDR-04(1万9440円)」。ハンドメイドによる職人技が支持されている名店だ。
実際にグローブを手に取ってみると鹿革を使用したその柔らかさに驚愕する。次に手にはめてみるとまるで長い間使い込んできたグローブのように自分の手にフィットする。
さっそくクルマに乗り込みグローブの上からハンドルとシフトレバーを握ってみると思わず「オ〜」という言葉にならない感情が口から出てしまった。手の平で軽くハンドルを包み込んでいるだけなのに、まるで磁石のように“ピタッ”と張り付くその不思議な感覚は、まったく予想していなかった。
長時間ハンドルを握るというストレスを軽減してくれる
グローブの効果をより明確にするために右手はグローブを着用し、左手はグローブなしで1時間ほど試乗した。
当然のことながらグローブを着用した右手は、革の厚み分だけハンドルが太く感じるが、それも走り出してすぐに違和感はなくなった。グローブの有無で一番異なると感じた点は、ハンドルを握る握力の強さだ。グローブをしている手は手の平とハンドルが密着し、軽く握っているのにまったく手が滑り落ちる気配がない。その反面、グロ−ブなしの手は指先まで力を込めてハンドルを握り込んでいるのがはっきりとわかる。
そしてもうひとつの違いは汗だ。これまで自分でも気づいていなかったが、運転中に手の平に汗を感じると無意識に太もも部分のパンツで汗を拭いていた。当然グローブを着用している右手は、グローブが汗を吸収してくれるので不快感は皆無だ。
今回テストしたのはハーフフィンガーグローブなので、指先の汗は吸収しない。だったら「指先までカバーするグローブの方がいいのでは」と思うかもしれないが、最近のクルマにはステアリングスイッチという便利なものが装備されている。親指の先で前後左右に繊細な操作をするには、やはり直接指で触れるのが一番確実。また、液晶モニターのタッチパネルもそうだ。グローブの上からより、直接指で触れた方が確実で反応は早い。
ドライビンググローブはスポーツ走行する人が必要とするものと思っていたが、これは間違いだった。長時間ハンドルを握るという動作のストレスをムダのない確実な動きでサポートしてくれるドライビンググローブは、僕のカーライフに欠かせないものになった。