1982〜1985年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「よろしくメカドック」。その作中には現代では名車と呼ぶにふさわしいモデルが多数登場する。今回はその中から、日産のフェアレディZ 300ZX(3代目・Z31型)をマンガの原画とともに振り返る。
画像: 国産最強の230馬力で登場した3代目フェアレディZ。あまりの高性能ぶりにライバル各社は大慌てだったとか。

国産最強の230馬力で登場した3代目フェアレディZ。あまりの高性能ぶりにライバル各社は大慌てだったとか。

1983年に登場した3代目フェアレディZは、ターボパワーにモノを言わせたモンスターマシン。搭載されたVG30ET型3リッターV6ターボエンジンは、国産車最強を謳う230馬力のパワーと34.0kgmの最大トルクを発生。当時、トヨタの5M−G型直6DOHCが175馬力だったことを考えると、一挙に55馬力もパワーアップしたことになる。国産車は最高速度210km/h台が出れば速いと言われた時代に、300ZXは実測で234.91km/hをマークした。0-400m加速もわずか14.42秒で、文字通り国産車最強の座についたのだ。

画像: 230PS/34.0kgmという国産車離れしたパワースペックに日本中のクルマ好きが驚いた。

230PS/34.0kgmという国産車離れしたパワースペックに日本中のクルマ好きが驚いた。

サスペンション形式はフロントがストラット、リアがセミトレーリングで形式こそ継承するが、大パワーと高速走行に対応すべく完全新設計となっていた。また従来の直6エンジンに対して全長が短いV6エンジンにかわったことで、ハンドリングもよりシャープになっている。

先代のイメージを継承するロングノーズ&ショートデッキの典型的なスポーツカー・フォルムだったが、うす目を開けたようなライズアップ式ヘッドランプを採用したのが新鮮だった。1986年には外販にも及ぶ大規模なマイナーチェンジが実施されて、イメージを一新した。

画像: エンジンがV6にかわったことで、ハンドリングはさらにシャープになった(写真はTバールーフ)。

エンジンがV6にかわったことで、ハンドリングはさらにシャープになった(写真はTバールーフ)。

「よろしくメカドック」に登場したのは、連載後半に差し掛かった東日本サーキットグランプリ編。ただでさえ強力なパワーユニットを、さらにボアアップしてインタークーラーも装着。圧巻はレオーネの駆動系パーツを流用して「フルタイム4WD」化されていたことだ。当時はスポーツ4WDはまだ珍しい時代。原作者・次原隆二の先見の明が光った。このクルマを駆り、風見潤は栄冠を手にする。

画像: 公道とサーキットで繰り広げられた熾烈なバトル。4WD化されたフェアレディZは抜群の操縦性能を発揮した。ⓒ次原隆二/NSP 1982

公道とサーキットで繰り広げられた熾烈なバトル。4WD化されたフェアレディZは抜群の操縦性能を発揮した。ⓒ次原隆二/NSP 1982

画像: 「よろしくメカドック」では時々メカニズムやチューンに関するレクチャーも。ⓒ次原隆二/NSP 1982

「よろしくメカドック」では時々メカニズムやチューンに関するレクチャーも。ⓒ次原隆二/NSP 1982

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