氷河の上で潜水艦とのカーチェイスを決行!?
2001年より公開継続中の大ヒット・カーアクション映画シリーズの最新第8作が、2017年のゴールデンウイークに日本にやって来る。ほぼ2年に1度、新作が公開されているのは、それだけこのシリーズの人気があるということ。
基本的なストーリーは主人公ドミニク(ヴィン・ディーゼル)たちファミリーと敵対する者たちとの戦いだが、今回は鉄の絆だったドミニク・ファミリーからなんとしたことか、ドミニク自身が離れることになる、という展開。果たして、その結末やいかに?
前作「SKY MISSION」での戦いを終え、束の間の平穏な生活を漫喫していたドミニクたち。だが、ドミニクの前に現れた謎の女・サイファー(シャーリーズ・セロン)のためにドミニクはファミリーからひとり離れ、不可解な行動を取り始める。それはファミリーへの裏切り行為。残されたレティやローマンたちはドミニクを追い詰めていくが、誰も彼に追いつけない。
最後の手段として手を組んだのは、ファミリー最大の敵だったショウ(ジェイソン・ステイサム/「トランスポーター」シリーズでもおなじみ)。果たしてサイファーの正体と、ドミニクが彼女に手を貸している理由とは? そしてファミリー最大の危機を、これまでどおりメンバーの堅い絆で乗り越えることができるのか!?
今回のカーアクション最大の見せ場はアイスランド・ロケ。氷河の上を滑走するクルマたちと潜水艦とのバトル。陸と海という相反する乗り物が、いかにしてバトルを行うのか。CGと実写が融合されたアクションシーンは、もうどこまでが合成なのか素人目には判別不能。
「そんなことありっこない!」という世界観でカーアクションを見せてくれるのが、このシリーズ最大のお楽しみといえるだろう。
しかしながら今作ではドミニクのファミリーへの裏切りという謎の部分が物語のメインとなるため、カーアクションが若干少なめ。それでも次作につながる期待もしっかりあるので、お楽しみは続くのだ。
(文:永田よしのり/映画雑誌会社を経てフリーの映画著述・批評業に。ヨコハマ映画祭選考委員、日本アカデミー協会会員)
4月28日より全国ロードショー/アメリカ映画/126分
監督:F・ゲーリー・グレイ
出演:ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ほか
配給:東宝東和