アウディ最小のSUVモデル
2017年4月に日本で発表されたアウディQ2。スリーサイズは兄貴分のQ3よりも全長で200mm、全幅35mm、全高は65mmマイナスとなる4200×1795×1530mmだ。
注目は、全高。このサイズならば多くの立体駐車場に駐めることができるので、日本の道路事情にマッチしたSUVということになる。
Q3に対してA3というモデルがあるため、今回搭乗したQ2はネーミング上「アウディA1」ベースという誤解が生まれそうだが、A3やTTと同じプラットフォーム「MQB」を採用している。ということで、アウディの本拠地インゴルシュタットの、A3と同じラインで製造されるという。
新しいデザインアイコン
エクステリアは、なんとなく、従来のアウディモデルとは異なったデザインとなっているのがわかるだろう。「ポリゴン=多角形」という要素を組み込んだ新しい手法で、今後のアウディデザインの方向を示している。
室内は名前からイメージするより相当広い
「Q2」と、数字部分が小さいモデルなので室内空間も狭いと想像してしまうが、じつは思いのほか広々としている。ホイールベースは2595mmと、Q3の2605mmとほぼ同等だし、前後席のヘッドクリアランスもQ3と同等という。
後席は、背もたれが若干立ち気味で姿勢を良く座らされるが、窮屈さはなく座面長も十分。大人4人の長距離移動も大丈夫だ。
荷室は通常時で405リットルを確保。張り出しも少なく十分なスペースがある。
乗用車感覚のドライバビリティ
今回試乗したのは、Q2発売を記念した280台限定モデル、「Q2ファーストエディション」。Sラインパッケージやセーフティパッケージなど、オプションてんこ盛りの仕様。価格は490万円だ。
運転席に座ると、まさにアウディクオリティ。「アウディ最小のSUV」だが、手に触れるもの、肌に触れるもの、上級クラスと顕色のない質感だ。
スタートボタンを押しエンジンを始動、走り出す。
SUVとはいえ着座位置がそれほど高くないので、乗用車ライクの走行感覚だ。重心高も低めで、ある程度のスピードでコーナーに入っても、ロール感は少ない。走り味はSUVというよりも、スポーツハッチバックという印象だ。
ボディ剛性が高く、ここもアウディらしい硬質な印象。アウディドライブセレクトを「ダイナミック」にしても、乗り心地も上質だ。
搭載エンジンの1.4TFSIは、1340kgのボディを前に進めるのには十分なスペックを持つ。ラフにアクセルペダルを操作すれば、それこそ驚きの加速感さえ味わうことができる。
このエンジンはシリンダーオンデマンド(COD)を搭載している。これは走行時、負荷が少ないときには4気筒のうち2気筒を休止するシステム。この動作は、瞬間燃費計のバーが灰色から緑色になった時が休止しているサインなのだが、正直言って体感することは難しい。ほかのアウディCOD車も同様だが、じつにスムーズに気筒休止する。
駆動方式は、現在はFFのみ。アウディといえばクワトロ(4WD)というイメージを持つ人もいるかもしれないが、これは現状はまだ選べない。
1.0TFSI搭載モデルも要注目
今回の試乗車は、1.4TFSIを搭載したQ2ファーストエディションしか用意されていなかったが、Q2には299万円から選べる「1.0TFSI」もラインアップされている。300万円を切るアウディは、A1、A3に続いて3車種目。たぶん、こちらのグレードがQ2では最量販モデルとなりそうだ。
116ps/200Nmというスペックを持つ1.0TFSIだが、はたしてQ2どんな走行性能をもたらすのか楽しみだ。こちらも試乗した際はWebモーターマガジンで紹介しよう。
(文:ネギシマコト 写真:井上雅行)
アウディQ2 1st エディション主要諸元
●サイズ=4205×1795×1520mm●ホイールベース=2595mm●車両重量=1340kg●エンジン=直4DOHCターボ 1394cc●最高出力=150ps/5000-6000rpm●最大トルク=250Nm/1500-3500rpm ●車両価格=490万円