25エーカーの敷地を持つ超豪華ホテルに集まった愛好家たちの選択眼とは
歴史的な起源としては1929年まで遡り、2005年からはBMWグループ・クラシックが運営を行っている「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」(フランス後ならさしずめコンクール・デレガンスだろうか)だが、2017年は5月26日から28日の金土日の3日間で、例年どおりイタリア北部ロンバルディア州にあるコモ湖畔で開催された。
会場はグランドホテル・ヴィラ・デステ。コモ湖畔に25エーカーもの敷地を有する、超豪華ホテルである。古い棟は16世紀からあるらしい。そこに集まった一般の愛好家たちなど、数千人の観客による投票で「トレゾア」が選ばれたのだ。正直、みんなおそらくセレブだ。目が肥えまくっている。そんな人々のチョイスだけに、説得力がある。そう。「トレゾア」はちょっぴり普通じゃない機能を持っているけれど、それも含めてそうとうカッコいい。
走る姿も優美でセレブ。しかもオシャレなだけではないのだ。
ルノーも参戦している「フォーミュラE」用のパワーユニットは、最高出力350hp最大トルク38.7kgmを発生するという。車両重量は1600kgとそれなりに重厚感もあるが、0—100km/h加速は4秒以下でこなすと公表されているから、決してカッコだけの「スポーツマン(どちらかといえばウーマン?)」ではない。
ちなみに、ジュネーブショーで与えられた「コンセプトカー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」は、世界で活躍する自動車関連のトップデザイナー20名によって選ばれた。エキサイティングなフォルムはもちろんだが、インテリアにふんだんに用いられた新素材など、機能性でもしっかり評価されていたようだ。
どちらにしても、担当したルノー・コンセプトカー・デザインのトップガン、Stéphane Janin氏にとって、忘れられない週末になったことだけは、確か。そのまま市販はさすがにキツそうだけれど、夢のクルマとして抜群にリアルな完成度には、素直に拍手を送りたい。