2年に1度、オーストラリアで開催される世界最高峰のソーラーカーレース「2017ブリヂストン ワールドソーラーチャレンジ(WSC)。6月5日、ソーラーカー開発の専門家であり東海大チーム監督の木村英樹教授を招き、ソーラーカーとWSCのレース紹介の記者会見が行われた。
画像: 左がソーラーカー用エコピアwithオロジック。タイヤサイズは90/80R16。

左がソーラーカー用エコピアwithオロジック。タイヤサイズは90/80R16。

ブリヂストンはソーラーカー用タイヤを供給

ブリヂストンは、ワールドソーラーチャレンジの冠スポンサーを務めるとともに、ソーラーカーに装着されるタイヤ供給を、日本の東海大学チームをはじめ、世界6カ国11チームに供給する。

ソーラーカー用タイヤのECOPIA with ologicは、ブリヂストンの低燃費タイヤ技術「ologic(オロジック)」のコンセプトを採用したソーラーカー用低燃費タイヤ。タイヤサイズは90/80R16で、空気圧は500kPaという。タイヤ単体で2kg以下。


ワールドソーラーチャレンジが開催されるオーストラリアは、気温は40℃、路面温度は50℃を超える過酷な状況。そんななか、平均時速で約90km/h、最高時速は100km/h以上にもなるソーラーカーを支えるタイヤは、低転がり抵抗なのはもちろんのこと、耐久性もスタビリティや安定性も必要になってくるそう。

画像: ソーラーカー用タイヤの幅は90mm。2輪用タイヤのよう。空気圧は500kPaと、パンパン。

ソーラーカー用タイヤの幅は90mm。2輪用タイヤのよう。空気圧は500kPaと、パンパン。

一般のクルマでは、路面との接地は「はがき1枚分」と言われるが、このタイヤの場合は10平方センチ。これは名刺の約半分になるのだという。これにより、転がり抵抗を示す値「RRC」は3.0以下(ラベリング制度AAAで6.5以下)だという。

ブリヂストンとしては2013年の初挑戦以来、今回で3回目。この技術は、BMW i3に使われる「ologic」のように、乗用車用市販タイヤにも活かされているとのこと。

画像: 東海大学チーム監督の木村英樹教授(右から2番目)をはじめ、東海大ソーラーカーチームに技術協力を行うパナソニック(太陽電池モジュール)、東レ(炭素繊維)、ブリヂストン(タイヤ)の開発者が登壇、技術説明を行った。

東海大学チーム監督の木村英樹教授(右から2番目)をはじめ、東海大ソーラーカーチームに技術協力を行うパナソニック(太陽電池モジュール)、東レ(炭素繊維)、ブリヂストン(タイヤ)の開発者が登壇、技術説明を行った。

東海大ソーラーカーって?

1991年にプロジェクト開始、1993年にワールドソーラーチャレンジに初参戦した強豪チーム。

その後、1996、2001、2009、2011、2013、2015大会と、過去に7回の出場経験を持ち、そのうち2009年、2011年に優勝を果たしている。

太陽電池、炭素繊維ボディなどからタイヤに至るまでの主要パーツが日本の技術で、唯一のオールジャパンチームとなる。

画像: ソーラーカー開発の専門家、東海大学工学部 電気電子工学科、木村英樹教授。長年、東海大チームのチーム監督を務める。

ソーラーカー開発の専門家、東海大学工学部 電気電子工学科、木村英樹教授。長年、東海大チームのチーム監督を務める。

ワールドソーラーチャレンジとは?

今年で30周年を迎える世界最高峰のソーラーカーレースで、今年は10月8〜15日に開催される。ダーウィンをスタートしオーストラリア大陸3000kmを縦断、アデレードにゴールする。

画像: 2015 Bridgestone World Solar Challenge (Bridgestone Summary Video) youtu.be

2015 Bridgestone World Solar Challenge (Bridgestone Summary Video)

youtu.be


クラス区分は3つ。

1:チャレンジャークラス
タイヤ4輪/ドライバー1名の条件の下、速度を重視したデザインの車両で目的地までの順位を競う
2:クルーザークラス
タイヤ4輪/ドライバー1名+乗員1名以上が乗車できる車両で、エネルギー効率や実用性を競うレース
3:アドベンチャークラス
過去の大会の規則に準じた車両など、「チャレンジャークラス」「クルーザークラス」の条件を満たさない車両でも参加できるクラス

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