アイシン精機株式会社といえば、最先端の自動車関連部品の研究・開発・製造を行っている、日本でも屈指の名門サプライヤーである。「アイシン・エィ・ダブリュ株式会社」などグループ企業を多数擁し、グローバルで活動している。そんなアイシン精機から「アイシンエコトピアがビオトープ大賞を受賞」というリリースが届いた。アイシンが作る「エコトピア」とはいったいなんぞや。ビオトープ顕彰というほぼ未知のプライズに輝いた理由とは。いったい、どんな「アイシン」的活動が評価されたというのだろう。

「アイシンエコ学校」から始まる不思議な工場のお話

「アイシンエコ学校」というホームページを見つけた。トップページのキャッチコピーは「地球の仲間たちの声を聞こう」。そこで紹介されているアイシンエコトピアは、「もったいないから始まった みんなで作る みんなの自然」を謳っていた。なんだかとても優しい響きの言葉だ。

エコトピアは、愛知県半田市のアイシン半田工場の一角にある。「半田工場」は電動チルト&テレスコピックステアリングコラムやエアサスペンションシステムを製造している施設で、従業員は約1120名。同じ敷地内には、コンピューター、センサー、ソレノイドなどの電子部品を生産する半田電子工場も隣接している。こちらを合わせれば、総勢2000人を軽く超える大所帯となる。

画像: www.aisin.co.jp
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そんな大規模な工場の敷地内に、2002年「エコセンター」が完成したのを皮切りに、「エコトープ」と名付けられたビオトープ(野生の動植物が自然な姿のままで群集して生活する空間)と実験農場「エコ農場」、そして地域の樹木の森「アイシンの森」をまとめた総合的なエコ体験エリアとして2007年に開設されたという。基本は子供たちが学ぶ場。「学校の25メートルプールが25個入ってしまうくらいの広い場所」という表現で紹介されているが、なかなかわかりやすいインパクトがある。

画像1: 「アイシンエコ学校」から始まる不思議な工場のお話

そもそも「ビオトープ顕彰」とは、特定非営利活動法人 日本ビオトープ協会が制定しているもので、「ビオトープの普及・持続と技術の向上を目指し、年度ごとに優秀なビオトープを顕彰する事業」なのそう。興味があったら、そのHPを覗いてみるのもいい<http://www.biotope.gr.jp/kenshou/>。2016年度は、開設から約10年が経過する中で、生態系ネットワークの構築にしっかり取り組み、常に改善や適切な管理を行ってきたアイシンの活動が、評価されたものだ。

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実はその活動の中心にあるのは、最初に作られたエコセンターだ。工場から出た廃棄物はここでリサイクルされ、資源としてリサイクルされる。それらは、エコトープの中でさまざまな形で活用されている。その流れを、ひとつのエリアで一度に知ることができる。そんな「実体験の場」が、ハイテクを駆使したモノ作りの現場のすぐそばで営まれていることが、とても興味深く思えた。

エコセンターは、普通のリサイクル工場ではできないような、むずかしくて手間のかかるリサイクルをするために作られた、最新の施設(しせつ)です。
自動車部品を作る時に出るいろいろな廃棄物(はいきぶつ)が、アイシンの12の工場からここに集められます。そして、プラスチックの原料やレンガなどにリサイクルされています。

こうなると半田工場を一度は訪れてみたいものだ。もっとも工場がメインか、こちらがメインになるのか、少々微妙なところだけれど。

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