S660の“走り”のスペック
S660は直3DOHCターボエンジンを搭載。最高出力は64psだが、最大トルクが104Nmと大きく、2600rpmと低めの回転から発生する。
軽自動車のエンジンだが、ビートのものと比べると、とにかく骨太な印象だ。
トランスミッションはCVTのほか、この6速MTを選ぶことができる。1〜5速をクロスレシオ化、6速で高速巡航性も確保している。JC08モード燃費は21.2km/Lだ。
ビートの“走り”のスペック
ビートは、直3SOHC自然吸気「MTREC(エムトレック)」エンジンを搭載。SOHCだが12バルブのエンジンだ。10モード燃費は17.2km/L。
MTRECとは3つの気筒ごとに独立したスロットルバルブがあり、アクセル開度とエンジン回転数で燃料噴射量を制御するもの。これにより自然吸気エンジンとしては唯一、自主規制上限の64psの最高出力を誇った。
エンジンは高回転型で、回すととてつもなく気持ちが良い。ただトルク感は薄くて繊細な印象。
S660とビート、走りはどう?
2台とも視点の低さや操作性など、乗り比べるととてもよく似ているのがわかって面白い。デビューは四半世紀違うのだが、「S660はビートの正当な後継車」だと一発で理解できる。
S660は、そのすべてを走りに振った割り切り感がスゴい。荷物はまるで積めないが、その分、軽自動車とは思えない素直なハンドリングなど、走る/曲がる/止まるが高次元。「世界最小のピュアスポーツカー」の称号はダテではない。
ビートは、発売から26年経っているが、この個体はエンジンや足まわりも含めてフルレストアしているので、当時の走り味がそのまま残っていた。
とにかく、エンジンを回せるだけ回して楽しむタイプ。最近のスポーツカーにはないピュアなこの味は、S660とはちょっと違ったベクトルのように感じる。でもこれは、活躍する時代が違うということだろう。
というわけで、ホンダ軽ピュアスポーツの2台、比べると共通した味わいがあることを確認できた。