シトロエンのBセグメントモデル、C3がフルモデルチェンジを行い3代目となった。新型はSUVテイスト溢れるデザインに変更。パワートレーンは1.2ℓターボ+6速ATのみとなる。
画像: 全長は4m未満の3995mm。全高は1495mmとほとんどの立体駐車場に入る高さ。

全長は4m未満の3995mm。全高は1495mmとほとんどの立体駐車場に入る高さ。

3代目はSUVテイストのエクステリア

シトロエンのBセグメントモデル、C3は、2002年の初代登場以来全世界で350万台を販売したシトロエンのベストセラーモデルだ。この7月に上陸したこの新型C3が3代目となる。

写真を見てもわかるとおり、ブラック化されたホイールアーチや大径16インチタイヤなど、エクステリアはいま世界的に流行しているSUVテイストにまとめ上げられている。

画像: タイヤは205/55R16サイズ。直径640mmはこのセグメントでは最大となる。

タイヤは205/55R16サイズ。直径640mmはこのセグメントでは最大となる。

このクラスのBセグメントSUVは、確かに「ジューク」「CX-3」「C-HR」「ヴェゼル」「2008」「キャプチャー」などなど数多く存在する。デミオに対する「CX-3」、フィットに対する「ヴェゼル」、208に対する「2008」など、オーソドックスなハッチバックをベースにした「派生モデル」としての車種が多い中、このC3は違う。派生モデルではなく、このSUVテイストのモデルが、軸足となる「C3」なのだ。


大きく見えるが、全長は4mを切る3995mm。全高も1495mmと先代よりも低く抑えられている。もちろん立体駐車場にも入る上背の高さだし、見切りもいいので日本の狭い道でも運転がしやすい。

デザイン上の特徴は、「エアバンプ」と呼ばれるサイドバンパー。C4カクタスで初採用されたものだが、単なるデザインアイコンではなく、れっきとした機能部品。エアを注入した柔らかい素材で、隣のクルマにドアをぶつけられたり…などちょっとした日常的なリスクから守ってくれる。

プレスリリースによればこのバンパー、「紫外線や経年劣化などにも高い耐性を持つ」とのことだから、まずは安心して乗ってみよう。

画像: エアバンプと呼ばれるサイドバンパーが特徴的。特別色のオプション代は価格に含まれる。

エアバンプと呼ばれるサイドバンパーが特徴的。特別色のオプション代は価格に含まれる。

インテリアは「質の高いカジュアル感」

室内に入ると、その質感の高さにちょっと驚かされる。本革の使い方や色遣いが絶妙で、決して堅苦しくなく、それでいて緩すぎてもいない、「質の高いカジュアル」感が心地よい。

先代の特徴でもあった、フロントガラスが頭上まで広がり圧倒的な開放感を味わえる「ゼニスウインドウ」は、新型では採用されていない。

その代わり、と言っちゃなんだが、新型C3が用意していたのは「コネクテッドカム」。フロントウインドーにカメラを配置、本体ボタンを押せば写真も、長押しすれば動画も撮影でき、スマホアプリ経由で撮った画像/映像を楽しめる。最新のドライブレコーダーと言ってしまえばそれまでだが、ドライブを楽しくするアイテムだということに違いはない。こうした姿勢、つくづく「フランス車らしい」と感心する。

画像: インテリア。色遣いが絶妙で、手に触る部分の質感もかなり高い。ナビシステムは19万3320円のオプション。

インテリア。色遣いが絶妙で、手に触る部分の質感もかなり高い。ナビシステムは19万3320円のオプション。

往年のシトロエンモデルを彷彿とさせる走り味

スタートボタンを押しエンジン始動、走り出す。

画像1: 往年のシトロエンモデルを彷彿とさせる走り味

搭載するのは3気筒1.2Lターボ「ピュアテック」。最近のプジョー/シトロエン/DSのモデルで多く使われる、ある意味最量販エンジンといえる。

1.2Lながら最大トルクは205Nmあり、これが1500回転から発生するため力強い加速が得られる。パワフルとまでは言えないが、1180kgの車重を引っ張るには必要十分だ。

乗り味は、4つの足が良く動き、ボディ剛性/取り付け剛性の高さを伝えてくる。路面からの大きな衝撃をゆったりといなすこの味は、往年のシトロエンモデルを彷彿とさせるもの。柔らかく、それでいてコシのあるシートと相まって、本当にどこまでも走って行きたくなる気分にさせてくれる。この感覚は久しぶりだ。

プジョーもシトロエンも、このところフランス車らしさを取り戻した気がする。一時期はグローバル化の流れか、とくにB/Cセグの小型車がドイツ車っぽい「硬い」足になっていたのだが、ここ数年登場したニューモデルは、違う。ドイツ車でもなく、またアメリカ車とも異なる余裕感。それでいて、コーナーで追い込んでいっても、タイヤの接地形状がまったく変わらないような、ぺっとりと安定した接地感があるから、どんなシチュエーションでも楽しく、そして安心したドライビングができる。

ちょっと気になったのは6速ATのEAT6。最初トルコンATではなくDCTかと疑い、諸元表を改めてチェックしたくらい、とくに微低速時には妙なクセがある。ただ、これはマイナス面と言うよりも「個性」の範囲で片付けられるものだ。

画像: トランスミッションは6速AT。パドルシフトはないが、ノブを左に倒すと、押してシフトダウン/引いてシフトアップのマニュアル変速も可能だ。

トランスミッションは6速AT。パドルシフトはないが、ノブを左に倒すと、押してシフトダウン/引いてシフトアップのマニュアル変速も可能だ。

燃費はJC08モードで18.7km/L。国産車に比べればそこそこの値だが、高速走行中心ならばこれ以上の数値が期待できるくらい実燃費と近い。

アクティブセーフティブレーキ、レーンデパーチャーワーニング、ブラインドスポットモニター。国産モデルにひけを取らないくらい安全装備も充実しながら、このデビューエディションは226万円。

こういう、生活を豊かにしてくれるクルマとのカーライフって、想像するとワクワクしてくるから面白い。

(文:ネギシマコト/写真:井上雅行)

画像2: 往年のシトロエンモデルを彷彿とさせる走り味

C3 シャイン デビューエディション 主要諸元

●サイズ=3995×1750×1495mm ●車両重量=1160kg ●エンジン=直3DOHCターボ 1199cc ●最高出力=110ps/5500rpm ●最大トルク=205Nm/1500rpm ●JC08モード燃費:18.7km/ℓ●226万円

This article is a sponsored article by
''.