蘇ったNSX勢が予選上位を独占
前戦オートポリスでウェイト軽減されたこともありポールを獲得したNSX-GTが、テクニカルな菅生のレイアウトでコーナリングマシンの本領発揮、予選1,2,3位を独占した。ポールポジションは8号車ARTA NSX-GTがQ1,Q2共に最速タイムをマークして獲得。2番手に100号車RAYBRIG NSX-GT、3番グリッドは17号車KEIHIN NSX-GTと続く。
不安定な天候がタイヤ選択を悩ませる
決勝日は朝からパッとしない空模様、降ったり止んだりの雨がタイヤの選択を悩ませる。首脳陣が見守る中、絶対にスタートを失敗したくないNSX-GT勢は、グリッド上でギリギリまで粘った上でウェットタイヤを装着。一方4番手スタートの19号車WedsSport ADVAN LC500はドライに賭ける。
レース序盤、主役はNSX-GT
メカニックがグリッド上から退去するのを待っていたかのように大粒の雨がサーキットに降り注ぐ。波乱の予感の中、81周の決勝レースがスタート。案の定ドライタイヤを選択したマシンが順位を落とす中、5台のNSX-GTは1周目でトップ5を独占。しかしそれも束の間、17号車NSXのリアカウルが脱落しリタイアとなる。2周目にトップが100号車NSXに変わり、やがてSCランを挟んで上位3台は100号車RAYBRIG NSX-GT、64号車EPSON Modulo NSX-GT、1号車DENSO KOBELCO SARD LC500となる。
NSX-GTの受難、アノ方が観てるのに…
レース中盤トップを独走していた100号車NSXだが、37周目に再びSCが入ると後続とのマージンは消滅。47周目リスタートとなり後続のマシンは続々とピットインするが、100号車、64号車2台のNSXはペースが良いためピットインをもう1周先に延ばすことに。しかし何と49周目、3度目のSC導入となりこの作戦は裏目に。SC中のピットインはペナルティとなるため2台のNSXは53周目のリスタート後にようやくピットイン。ピットに要する時間よりも1周のラップタイムの方が短いSUGOでは、すでにピット作業を済ませていた1号車レクサスと46号車GT-Rがこの2台を周回遅れにしてしまう。
大どんでん返しのフィニッシュ!
1号車DENSO KOBELCO LC500平手晃平と46号車S Road CRAFTSPORTS GT-R本山哲は、3位以下全車を周回遅れにしながらバトルを繰り広げる。そしてファイナルラップ、突然の強い雨に足元を掬われSPコーナーで揃ってコースオフ。縺れるように接触しながら1号車、46号車の順で立ち直りそのままチェッカー、咎められることもなく順位は確定した。優勝した1号車レクサスはもちろんのこと、最後尾スタートからまさかの2位となった46号車GT-R、そして3位入賞でこの時点でランキングトップとなった6号車WAKO'S 4CR LC500にとっても嬉しい表彰台。中盤までレースを支配していた100号車NSXは最終的に9位フィニッシュとなった。
(PHOTO:井上雅行)