雨中のタイムアタック合戦
大雨が予想される決勝日のレース開催が危ぶまれる中、土曜日の予選セッションではポイントリーダー石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)と0.5pt差の2番手ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)が、ポールポジションに与えられる1ptを賭けてタイムアタック。通常の予選セッションとは異なる、コース全体に決勝レースさながらの緊張感が漂う。
鈴鹿にそびえる高い壁、SFの守護神
しかし最速タイムを叩き出したのはこの男、ベテランの域に達したアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。同僚の中嶋一貴も3番手タイムとチームは鈴鹿に絶対の速さを見せる。これにより日曜の決勝第1レースのポールポジションと1ptをゲット。渾身のアタックを魅せていたP・ガスリーは終盤に1コーナーでスリップ、この赤旗により予選セッションは終了。尚、セカンドベストタイムにより決定される第2レースのポールはヤン・マーテンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が獲得した。
追い詰められたルーキー
自らの失敗で予選でのポイントを重ねることができなかったP・ガスリー。レース1では石浦の後方8番手スタートながら、レース2では前方6番手を確保。逆転チャンピオンに向けてレース戦略を巡らす。そう、全ては「明日」にかかっているハズだった。
苦渋の決断、F1戦士に永遠の「宿題」
しかしレースを運営する日本レースプロモーション(JRP)と主催者の鈴鹿サーキット(モビリティランド)は、来場者の安全を考慮し日曜日の全ての決勝レースを中止することを発表した。これにより予選終了時点でポイントリーダーである石浦宏明のシリーズチャンピオンが決定。P・ガスリーは戦わずしてSF王者の座を0.5pt差で逃すこととなった。
シリーズ全戦でまんべんなくポイントを積み重ねた石浦宏明が、昨年チームメイトの国本雄資に奪われたSFチャンピオンの座を奪い返し、P.MU/CERUMO・INGINGとしては2016年に続き2年連続のチームタイトル獲得となった。
日本にスーパーフォーミュラあり!
昨年のバンドーン、今年のガスリーと、F1ドライバー候補の参戦により世界にその存在が知れ渡ることとなったスーパーフォーミュラ。2018年シーズン、果たしてまた新たな刺客が送り込まれることになるのだろうか。いずれにしても世界のモータースポーツファンから注目されることは間違いないだろう。
(PHOTO:井上雅行)