眠れる獅子が目を覚ます
ウェットコンディションとなった予選セッションでは、Q1,Q2共に21号車Hitotsuyama Audi R8 LMSがトップタイム。気温は高いがウェットという微妙なコンディションにダンロップタイヤがマッチした、と考えるのは早計。2、3番手には51号車JMS P.MU LMcor RC Fと55号車ARTA BMW M6のブリヂストン勢。4位には4号車グッドスマイル 初音ミクAMGのヨコハマタイヤ。そして5番手にDLユーザー61号車SUBARU BRZ R&D SPORTとタイヤメーカーのウェット性能は互角。その中でも、Q2で21号車 柳田真孝が出したタイムは2番手以下を1秒以上引き離すスーパーラップ。かつて両クラスを制覇した元王者が輝きを取り戻した瞬間。
SCスタート、分かれたタイヤ選択
スタート直前のスコール、そしてすぐさま強い陽射しが照りつけるブリーラム。しかし路面はまだ濡れている。グリッド上位5台はウェットタイヤを装着したが、6番手の3号車B-MAX NDDP GT-R、15番手33号車D'station Porsche、そして19番手スタートながらディフェンディングチャンピオンの25号車VivaC 86 MCがスリックタイヤで勝負に出る。しかし3号車GT-Rと25号車86MCはズルズルと順位を下げ、ついには周回遅れとなってしまう。
交錯するドライ&ウェット
急速に乾きだす路面、10数周目でウェットとドライタイヤのペースが逆転。スリックスタートのマシン達が息を吹き返す。一方、ウェットタイヤで走行する上位陣のポジションもタイヤメーカーのキャラクターにより変化し、2番手に11号車GAINER TANAX AMG GT3が。その中でいち早く16周目にスリックタイヤへ交換した61号車BRZだが、結局は27周目にトラブルでリタイヤとなる。そして19周目にドライバー交代とタイヤ交換を同時に行った51号車を皮切りに、上位陣は続々とピットインしルーティン作業を行う。
表彰台を巡る攻防
上位陣がピット作業を完了した22周目の時点で、トップはスリックタイヤでスタートした33号車D'station Porsche。そのまま40周目のルーティン作業までレースをリードしたが、全車がピット作業を完了するとトップが51号車RC Fへと取って代わる。そして2番手となった33号車Porscheをバトルの末に4号車AMGが抜き去り51号車を追いかける。その後方でさらに55号車M6が33号車に襲い掛かる。だが55号車はコースアウトを喫し万事休す、表彰台を逃すこととなった。
ルーキーの活躍による今季2勝目
GT300クラスは61周でチェッカー。51号車JMS P.MU LMcorsa RC F GT3が4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの猛チャージを振り切って今季の2勝目を挙げた。レースでは2位に甘んじたもののこれで4号車 谷口信輝・片岡龍也はドライバーランキングでトップに。51号車の2人も2位に急浮上。しかしポイント差は9pt、4号車の圧倒的優位の状態で最終戦に臨むこととなる。そして昨年の覇者25号車は15位でノーポイント、最終戦を前にして連覇は絶たれることとなった。
ドライバーズポイントランキング(上位3組)
1位 谷口信輝・片岡龍也組 65pt
2位 中山雄一・坪井 翔組 56pt
3位 黒澤治樹・蒲生尚弥組 52pt
チームポイントランキング(上位3チーム)
1位 GOODSMILE RACING & TeamUKYO 83pt
2位 LM corsa(No.51) 77pt
3位 K2 R&D LEON RACING 72pt
(PHOTO:井上雅行)