また新たな伝説が生まれた
“マクラーレン・セナ”は公道での走行も可能なサーキット仕様モデルであり、究極のハイパフォーマンスを持つ。搭載する4L V8ツインターボエンジンの最高出力は800psであり、これはマクラーレンが開発してきたロードカーとして最強スペックであり、なおかつ車重はわずか1198kgしかない。
このスペックを聞いただけで、そのパフォーマンスはライバルを凌駕する圧倒的なものだと想像できる。そして、世界中のコレクターが欲しがることは間違いないと思われ、また実際にそのとおりになった。限定500台が即完売したのた。
しかし、最後の1台があったことが判明、マクラーレンオーナー向けのプレイベートイベントに登場した。そして、そのクルマはオークションにかけられ、なんと200万ポンド(約3億円)で落札された。イギリスでの販売価格は75万ポンド(約1億1000万円)だったので3倍のプレミアムがついたことになる。
そしてこの落札された金額が、支援を必要とする子供たちに教育を提供する非営利団体、アイルトン・セナ財団に寄付された。故アイルトン・セナの甥でありマクラーレンのアドバイザーでもあるブルーノ・セナ氏は以下のように語っている。
「アイルトン・セナのレーシングスピリットと業績につながるプロジェクトはこれが初めてであり、マクラーレン・セナは叔父に敬意を表したものです。というのも、ドライバーが最高の自分になれるような比類なきサーキットエクスペリエンスを生み出すことに徹底的にこだわっているからです」
言うまでもなく、アイルトン・セナはF1ワールドチャンピオンを3回獲得、1994年に不慮の事故死を遂げた伝説のレーシングドライバーである。その魂(スピリット)はこれからもいろいろな形で引き継がれていくことになるのだろう。