今回の日本で買えないシリーズでは、2009年から日本でも日産スカイライン クロスオーバーとして販売されていたインフィニティ QX50を紹介しよう。

右ハンドル仕様をわざわざ追加して導入したスカイラインクロスオーバーだが…

SUV人気の火付け役といえば諸説あるが、1997年末に登場したトヨタ ハリアーだとする人が多いだろう。クラウンやセルシオなど高級車セダンをラインナップしているトヨタらしく、プレミアムサルーンのような乗り心地と、実用性に富んだSUVをクロスオーバーさせたモデルとして、日本はもとより北米市場でも大ヒットをかました。

その快進撃を日産は指をくわえて見ていたわけではなく、実は同じ年の東京モーターショー1997でエクストレイルの原型となるトレイルランナーを発表し、2000年にデビュー。さらに2002年にはムラーノを、2003年にインフィニティブランドからFX(後のQX70)を北米で発表するなど、SUV市場に相次いでニューモデルを投入してきた。

ルノーと日産の提携(1999年)により就任したカルロス・ゴーンCOO(CEO)指揮のもと登場した高付加価値のSUVモデルたちはヒットを連発。それまで思うように進んでいなかったインフィニティブランドの認知度も、こうしたSUVモデルの人気と共に高まっていった。

この上昇気流に乗るように日産はSUVでさらなる攻勢をかける。北米だけでなく欧州でも人気となったFXと同様FR-Lプラットフォームを採用し、よりコンパクトでスポーティなSUVを開発。それが2007年に北米市場で登場したインフィニティEX(後のQX50)だ。

画像: 初代のインフィニティ QX50。これは後期型。

初代のインフィニティ QX50。これは後期型。

ボディサイズを全長4630×全幅1803×全高1590mmとしてFXよりひとまわり小さく、ホイールベースも約50mm短い2799mm。BMWやフォルクスワーゲンなど欧州ブランドのSUVに対抗するため、ボディから足まわりまで剛性を高められた走り味はなかりシッカリしたものだった。

そして2009年、そのボディサイズやSUV人気から日本でも発売された。インフィニティブランドを展開していないため、日産のロゴとスポーツカーの一大ブランドを冠した「スカイラインクロスオーバー」が誕生したのだ。

一般的に右ハンドル仕様を追加することは多額の開発費を必要とすると言われ、その割に販売できる国は左側通行のイギリスやオーストラリア、インドなどに限られてしまう。そんな理由もあって、右ハンドル仕様の追加には慎重なメーカーもあるという。こうしたデメリットもありながら日本市場に導入したのだから、相当な自信と期待が込められていたのだろう。

しかしそんな思いとは裏腹に、約450万円〜という価格設定も大きな要因のひとつとなってほとんど売れなかった。個人的にはスカイラインクロスオーバーのスタイリッシュさや個性が好ましかったのだが、残念ながら2016年に販売を静かに終了。日本市場で次期モデルがウワサとなることはなかった。

画像: インフィニティ QX50は日本でスカイラインクロスオーバーとして販売されていた。

インフィニティ QX50は日本でスカイラインクロスオーバーとして販売されていた。

そして2017年11月、ロサンゼルスモーターショーで新型QX50が発表された。注目はやはり、開発に20年もの歳月を要したという、世界初採用の可変圧縮比エンジン「VCターボ」の搭載だろう。この2L直4ターボエンジンは、運転状況によってピストンの上死点位置を連続可変、圧縮比を8:1(高性能)から14:1(高効率)に自動制御するシステムを持っている。

画像: ボディサイズを大型化したQX50。スタイリッシュでありながら、SUVらしい力強さを感じるデザイン。

ボディサイズを大型化したQX50。スタイリッシュでありながら、SUVらしい力強さを感じるデザイン。

最高出力は268hp(271.7ps)/5600rpm、最大トルクは280lb-ft(379.6Nm)/ 1600-4800rpmを発生する。高速走行時には高効率の低燃費走行を実現し、アクセルペダルを踏み込めば大トルクで鋭い加速を見せるという二面性を持ち合わせている。

ボディサイズは全長4694×全幅1902×全高1679mmとひとまわり以上大きくなった印象だ。ただこれも初代発表時になかった、コンパクトSUVモデルであるQX30が存在していることも理由のひとつだろう。価格は初代から1500ドルほど高くなり、3万6550ドル〜。円換算すると392万5000円(2018年4月19日現在)と、プレミアムブランドらしい強気の設定だ。日本で登場することはないと思われるが気になる存在であることに変わりはない。

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