予選で気を吐いたのは98号車FLORAL CIVIC TCRの加藤寛規。前回の決勝でエンジントラブルで泣いた鬱憤を晴らすかのような気迫のアタックで他車を1秒引き離す。2名のドライバーによる合算でも見事クラスポールポジションを獲得。また今回より新たにAudiが1台参戦、クラス合計8台(CIVIC3台、Audi4台、VW1台)で争われる。
迎えた決勝日、今回は3時間の耐久レースで2回のピットインが義務付けられている。98号車CIVICはオープニングラップで19号車BRP★Audi Mie RS3 LMSの先行を許してしまうが、これもレース距離を見据えたペース配分か。
今回より参戦の65号車L&JR Mars Audi RS3 LMSは97号車CIVIC、10号車Racingline PERFOEMANCE GOLF TCRと同等のレースペース。Audi勢初優勝の有力候補に名乗りを挙げる。
レース序盤に他クラスのマシンがコースアウト、FCY(フルコースイエロー)が導入されるとすぐさまピットインしたのが19号車Audiと10号車Golfの2台。しばらく後に全車がピットインすればこの2台にアドバンテージがある。
ピットインを後に残すCIVIC勢は、98号車のエンジン不調もあって97号車がクラストップに立つ。ピットタイミングをずらした10号車Golf、19号車Audiと「見えない」トップ争いを制すべくハイペースで周回を重ねルーティンのピットインを行う。
10号車Golfがミッショントラブルで後退後、19号車Audiとの一騎打ちとなった97号車Modulo CIVIC TCRは、2回のピット作業後もトップを堅持。磐石の走りでST-TCRクラス2連勝を達成した。
2位、3位には19号車、65号車のAudi勢。そして4位にも45号車プリズマ☆イリヤ RS3 LMSが入賞。Audi勢によるCIVIC包囲網は整いつつある。そして次戦は富士24時間レース、未知の領域。果たして97号車Modulo CIVIC TCRが3連勝してしまうのか、それともAudi念願の初優勝なるか。早くもシリーズの行方を左右しそうな、興味深い長丁場となりそうだ。
(PHOTO:井上雅行)