世界最大のダイヤモンドの名を冠したこのクルマで、究極のラグジュアリーさとオンオフを問わない高い走行性能を満喫できるのは、どのような人なのだろう。
ひと目で魅入られる
この圧倒され感をぜひとも自身で味わってほしい。
ラグジュアリーな内装や高次元の走行性能云々の解説よりも、この巨大で押出しの強いフォルムから発せられるオーラを体感することが、なによりもこのクルマを知ることのような気がする。
ロールス・ロールスおまえもか!
それは、ランボルギーニの時にもフェラーリの時にも聴こえた声だが、これらのSUVがそのオリジナリティにより、SUV流行への付和雷同感を払しょくしたように、ロールス・ロイスもまたそのブランドの真骨頂としてSUVカリナンをリリースしている。
1930年代のD-バックを思わせる3ボックスデザイン。
機能的かつ実用的な3人用シート「ラウンジ・シート」とラグジュアリーな「インディヴィジュアル・シート」が選択できる室内とブランド初の開閉式テールゲート「ザ・クラスプ」。
リアコンパートメントにオプション設定の、格納された2脚のレザーチェアとカクテルテーブルがワンタッチで展開する「ビューイング・スイート」。
・・・etc.
内外装の特徴を列記するだけで、ため息が出てきそうだが、動力性能に目を移すと息を飲んでしまう。
オールアルミの最新型アーキテクチャー&最新型自動レベリング式エアサスペンションの採用と、1600回転で850Nmの最大トルクを発生する新型V12気筒6.75リッター ツインターボエンジン、そしてロールス・ロイス初の4WDとで、「魔法の絨毯のような乗り心地」をオフロードで味わえるという。
さらに加えると、カリナンのサスペンションは車体と車輪の動きのデータとカメラによる視角情報を毎秒数百万回のデータ制御を行っている。
また、新型のダブルウイッシュボーン式フロント・サスペンションと5リンク式リア・サスペンションの採用で、4輪ステアリングと同じ効果が得られ制御も可能となっている。
まさに致せり尽くせり。
世界最大のダイヤモンドの名前が冠せられただけのことはある。
気になる価格は3800万円(税込)から。
いい値段だが、カリナンはロールス・ロイスのエントリーモデルに位置するそうだ。
こうなると、もう声が出ません。
(写真:永元秀和)