ライバルひしめくセグメントで独特な走り味
ステルヴィオは、アルファロメオ創業以来、108年目で初めて登場した本格SUVだ。
全長は4690mmと「プレミアムD-SUV」と呼ばれる市場にセグメントされる。レクサスRXをはじめ、ボルボXC60/メルセデス・ベンツGLC/BMW X3/アウディQ5/ジャガーFペイス/ポルシェマカンなど、そうそうたるライバルが揃う、いま世界中の市場で人気のカテゴリーだ。
4ドアFRセダンのジュリアにも用いられるジョルジオプラットフォームを採用、2820mmのホイールベースは共通としながら、最低地上高は65mm高い。
実際に運転席に座ってみると、ジュリアと同じような自然なポジションが取れるが、190mm高いアイポイントだから、窓の外の景色はまったく違って見える。
スタートボタンを押しエンジンを始動、走り出す。
280ps/400Nmを発生する2L 直4ターボエンジンは、低回転からのトルク感が自然で、ストップ&ゴーの多い一般道も違和感なく走ることができる。
やはり走っていて面白いのは、想像どおりワインディングだった。細かいRのコーナーでも、ロール感を伴わずクリアしていくさまは、まさにスポーツカーのそれ。アイポイントが高いSUVを運転しているとは思えない、スポーツカーブランドらしい感覚だ。大型パドルシフトを積極的に使って、ずっと走っていたくなる。
かといって、足を固めて無理くり踏ん張っている感じでもなく、街乗りなど日常の速度で足の硬さを感じるわけでもない。最小回転半径が6mとイマイチな点だけは気になったが、室内のイタリアンテイスト溢れるデザインや本革シートの肌触りとともに、他人とは違う選択をしたい人にはオススメのSUVだ。
今回登場したのは、限定400台のファーストエディションのみだが、この年末には、ニュルブルクリンク北コースで7分51秒7というタイムを出し、見事量産SUV最速の座に輝いた、510psを発生する2.9L V6ツインターボエンジン搭載の「ステルヴィオ クアドリフォリオ」も上陸予定だ。
ステルヴィオ ファーストエディション
●全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm ●ホイールベース=2820mm ●車両重量=1810kg ●エンジン=直4DOHCターボ ●排気量=1995cc ●最高出力=280ps/5250rpm ●最大トルク=400Nm/2250rpm ●トランスミッション=8速AT ●駆動方式=4WD ●車両価格=689万円