日産のフォーミュラE参戦決定により、日本ePRIX開催の機運は高まった
世界的に盛り上がりを見せるフォーミュラEは電気自動車によるレースで、他のフォーミュラレースと異なり、香港やローマ、ニューヨークなどの“公道”をコースに仕立てる市街地レースとしても知られる。
道路の封鎖や安全確保など開催までにクリアすべき項目も多いが、“観客を集めやすい”や“速度域の低さ”、“騒音の少なさ”、“排出ガスがない”といういくつもの理由から、都市部の公道を使用していると言われている。
そんなフォーミュラEに、日産が2018年末に開幕する第5シーズンから参戦すると昨年に発表されていた。市販モデルの電動化・EV化を進める日産の参戦発表は、ごく自然な流れであり驚きはそれほど大きくなかったかもしれない。
しかし、もし日本でのレースが決まったとなればどうだろう。しかも“観客を集めやすい”ことを考えれば、都市部での開催は必至だ。クルマ好きやレースファンだけでなく、あまり興味のなかった人たちが多く押し寄せ、大きな驚きと話題を生むだろう。
すでに主催者と自治体が交渉したというウワサもあり、いくつか候補地はあるものの最有力は日産のお膝元“横浜”だ。この場所は、フォーミュラEのCEOも言及するほど期待されているようだ。それとも首都“東京”か、はたまた東洋のモナコ“熱海”か!? いずれにしても開催に向けて大きすぎる障壁が待ち受けている。
さてそんな折、日産がオートモビルカウンシル2018(8/3開催)に出展、フォーミュラEカラーリングコンセプトを展示すると発表した。このモーターショーは旧車を主役にした展示会であり、最新モデルは言ってしまえば“脇役”だ。そんな会場にフォーミュラEを持ってくるのだから、なにかしらの新情報があるのかもしれないと、期待せずにいられない。
日産のオートモビルカウンシル出品車両
ダットサン 1000セダン富士号
海外への輸出も視野に入れ、高速走行性能やデザイン性を高めたモデルとして1957年にデビューしたダットサン 1000セダン(210型)。その耐久テストも兼ねてオーストラリア1周ラリー「モービルガス。トライアル」に2台が出走し、写真の富士号が1000cc以下の「Aクラス」で優勝を飾った。
スカイライン ハードトップ 2000GT-R
国内ツーリングカーレースで無敵の強さを誇った4ドアのスカイライン2000GT-R(PGC10)から、旋回性能向上と軽量化のためにホイールベースを70mm短縮した2ドアハードトップ(KPGC10)モデル。2L 直6DOHCのS20型エンジンを搭載。勝利記録を更新し1972年10月までに通算52勝を樹立。
MID 4(II型)
その名の通り、エンジンをミッドシップとして4輪を駆動するスポーツモデルとして、1985年にI型がショーデビュー。そして3L V6エンジンをツインターボ化(330ps)したII型が1987年の東京モーターショーに登場した。市販されることはなかったが、その技術は多くの量販車に引き継がれた。
フォーミュラE カラーリングコンセプト
「空気抵抗と重力から自由になる」をコンセプトに、ドップラー効果の超音波パルスとソニックブームをイメージしてデザインされたマシン。日産が参戦する第5シリーズ(2018-2019)は2018年12月15日開幕のサウジアラビア、ディルイーヤePRIXからはじまる。