ロール感を伴わないコーナリングが新鮮
4代目に進化したルノー・メガーヌ。5ドアハッチバックとワゴンを用意、搭載エンジンは1.2L直4ターボと1.6L直4ターボの2種類を設定するが、このワゴンモデルであるスポーツツアラーは1.6Lターボだけ。つまりスポーティモデルの「GT」のみの設定だ。
あのルノー・スポールがチューニングを手がけるメガーヌのGTグレードだけに、走りへのこだわりは大きい。
特徴は「ルノーマルチセンス」と呼ばれる機能。4つの走行モードを選択でき、その中の「スポーツ」モードを選べば、高回転まで引っ張り、エンジンサウンドも高まって、その205ps/280Nmの力強さを存分に味わえる。ここはコラム固定式の大型パドルシフトを駆使して楽しみたいところだ。
このGTグレードに搭載された新システムが「4コントロール」だ。これはいわゆる4WS(4輪操舵)機能で、リアタイヤが最大2.7度操舵するシステム。時速が約60km/h以上だと後輪は前輪と同位相に動き、それ以下だと逆位相で動くというものだ。
低速時に回転半径が小さくなるので、車庫入れなどのシチュエーションでは便利。ただ、このシステムの本領が発揮されるのは、中高速域でのコーナリング時だと思う。
ロール感をともなわず、コーナーをクリアするその感覚はとても新鮮な走り味だ。ステアリング操作に対して正確かつシャープ。どんなに追い込んでいってもなかなかスキール音は発生せず、安心感がハンパない。
この4コントロール、新型メガーヌR.S.にも搭載しているので、今年の年末ともウワサされる日本への上陸が楽しみだ。
このメガーヌ、アクティブブレーキや車間距離警報、車線逸脱警報など最新運転支援システムも備えている。走りの楽しさだけでなく、安全面の進化も見逃せないトピックスだろう。
ちなみに、最近(7月1〜30日)の平均燃費(満タン法)は、13.2km/L。平均速度が32km/hだから、高速走行中心ではなく、一般道走行も走っての数字。さらに真夏でエアコンをガンガンに効かせている(使う人にもよるが、だいたい22.5℃設定)ことを考えると、なかなか良い数値に収まっていると思う。
メガーヌ・スポーツツアラーGT諸元
●全長×全幅×全高=4635×1815×1450mm ●ホイールベース=2710mm ●車両重量=1480kg ●エンジン=直4DOHCターボ ●排気量=1618cc ●最高出力=205ps/6000rpm ●最大トルク=280Nm/2400rpm ●トランスミッション=7速DCT(EDC) ●駆動方式=FF ●車両価格=359万9000円