8月4,5日に静岡県富士スピ-ドウェイで行われたスーパーGT選手権第5戦富士500マイルレースにおいて、レース中盤までトップ3を占めたGT-R勢を追い詰めたau TOM'S LC500が終盤に逆転し勝利を飾った。

真夏のFSWはイベント祭り

予選終了後のホームストレート、Audiがバーチャルの世界のためデザインした「Audi e-tron Vision Gran Turismo」のコンセプトカーが現実世界で走行。ドライブするのはかつてインパル、ニスモのドライバーとして国内で数々の名(迷?)シーンを演出した「ベンちゃん」ことブノア・トレルイエ選手。助手席に乗るのは篠田麻里子さん。

画像1: 真夏のFSWはイベント祭り

また予選日、決勝日の両日には昨年大好評だったエアレーサー室屋義秀選手のフライトパフォーマンス。LFA、LC、RC Fと3台のレクサスとホームストレートをランデブー走行ならぬ滑降。低さの限界まで攻める室屋氏のフライトに満員のグランドスタンドが大いに沸きあがる。

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500マイル、約800kmのロングディスタンス

昨シーズンまでの鈴鹿1000kmレースに代わり、今回の富士500マイルレースが2018スーパーGT選手権の最長距離となる。8月初頭の酷暑の中行われる500マイル=800kmレースは、それまで月末に行われていた1000kmよりも過酷になることが予想される。GT500、GT300両クラス共にドライバー交替を含めた4回のピットストップが義務付けられる。つまり、勝利のためにはピットストップを4回で済ませなくてはならない。

画像: 500マイル、約800kmのロングディスタンス

予選を席巻したGT-R勢

ポールポジションは62kgのハンディウェイトをものともせずに23号車MOTUL AUTECH GT-Rが獲得。予選上位5台のうちGT-Rが4台を占めるというまさにGT-R無双状態。数年前までの富士のレース、GT-R対決の様相を呈するスターティングポジション。

画像1: 予選を席巻したGT-R勢

177周の決勝レースがスタートすると、ポールの23号車GT-R、2番手スタートの24号車フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rがワンツー体制で後続を引き離す。

画像2: 予選を席巻したGT-R勢

追撃準備整う?

予選5番手の12号車GT-Rが遅れる一方、7番手から1号車LC500がポジションアップ。3番手には36号車au TOM'S LC500が2台のGT-Rにやや離されるもポジションをキープ。

画像1: 追撃準備整う?

スタートで順位を落とした12号車カルソニックIMPUL GT-Rだが、レースが続くと本来のペースを取り戻し徐々にポジションを上げて行く。しかし3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはペースが上がらず4番手スタートからこちらはポジションダウン。

画像2: 追撃準備整う?

後方からのスタートとなったNSX-GT勢は、ラップダウンとなるGT300クラスとの混走、混乱から抜け出せない状態に。

画像3: 追撃準備整う?

追うLC500、逃げるGT-R

トップを行く23号車GT-Rのペースに24号車GT-Rは付いていくことができず、23号車の独走になるかと思えたが。

画像1: 追うLC500、逃げるGT-R

36号車LC500が驚異的なペースで追い上げを開始、24号車GT-Rを抜き去るとトップの23号車GT-Rの背後まで迫る。

画像2: 追うLC500、逃げるGT-R

勝敗を揺さぶるピット作業

タイヤのグリップ低下に苦しむ23号車GT-Rは31周目に1回目のピットストップ。しかしこのピットタイミングでは5回のピット作業が必要となってしまうのだが。

画像1: 勝敗を揺さぶるピット作業

労せずトップに立った36号車LC500は計算どおり36周までタイヤを持たせることに成功。しかしピットでのタイヤ交換作業に手間取り、再び23号車GT-Rにトップを明け渡してしまう。

画像2: 勝敗を揺さぶるピット作業

「青い新幹線」IMPUL GT-R

タイヤライフを労わりペースを落とさざるを得ない23号車GT-Rを12号車GT-Rが抜き去りトップに浮上。この時点で12号車、23号車、24号車とGT-Rの1-2-3体制に。しかしながらその背後から36号車LC500がポジションを奪い返すべく猛プッシュで迫る。

画像1: 「青い新幹線」IMPUL GT-R

今回タイヤのグリップ、ライフ共にバランスが良かったのがブリヂストン勢。12号車GT-Rは計画通りにピットインしドライバー交替、タイヤ交換を完璧にこなしていゆく。そして143周目に最後のピット作業を追え、12号車カルソニックIMPUL GT-Rの優勝は間違いないものと思えた。

画像2: 「青い新幹線」IMPUL GT-R

まさかの逆転劇

しかし148周目、突然12号車GT-Rがスロー走行に。翌周ピットインし修復するも周回遅れとなってしまう。ここでトップに立ったのはやはり36号車au TOM'S LC500、気が付けばチームメイトの1号車KeePer TOM'S LC500も2番手に付けており、TEAM TOM'Sの1-2体制が確立。

画像1: まさかの逆転劇

3番手にはトラブルにより予選出走できなかった17号車KEIHIN NSX-GTがチーム、ドライバーのミスの無いコンビネーションでじわじわと浮上。

画像2: まさかの逆転劇

チーム初の1-2フィニッシュ

そして177周の決勝レースはそのまま36号車LC500がトップチェッカーを受け、2位には1号車LC500が。長らくスーパーGTに参戦してきたTEAM TOM'Sだが、これが初の1-2フィニッシュとなる。

画像1: チーム初の1-2フィニッシュ

前戦タイではガス欠に泣いた中嶋一貴・関口雄飛ペアがようやくポディウムの頂上に。また2位となった平川亮・ニック・キャシディ組はこれでランキングトップに立ち、TEAM TOM'Sにとってまさに最良の1日となった。

画像2: チーム初の1-2フィニッシュ

GT300クラスはARTA BMW M6 GT3が富士を連勝

GT300クラスでは、予選2番手からスタートした55号車ARTA BMW M6 GT3が、レース序盤の8周目にポールポジションスタートの25号車HOPPY 86 MCをかわしトップに立つ。その後独走状態になると王道の4ピット戦略で危なげない勝利を飾った。

画像1: GT300クラスはARTA BMW M6 GT3が富士を連勝

高木真一・ショーン・ウォーキンショー組は今年富士で連勝、また昨年から3連勝となる。そして高木は自身の持つクラス最多勝記録を20に伸ばした。

画像2: GT300クラスはARTA BMW M6 GT3が富士を連勝

(PHOTO:井上雅行)

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