NSX-GTの席巻
土曜日に行われたGT500クラスの予選では、NSX-GTが5台共Q2に進出の快進撃。高低差が大きいテクニカルレイアウトのコース特性からある程度は予想されことではある。一方でGT-R勢は全車Q1落ちという対象的な結果に。
その中でも8号車ARTA NSX-GTは従来のレコードタイムを約1.4秒更新してポールポジションを獲得。決勝は17号車KEIHIN NSX-GTと100号車RAYBRIG NSX-GTとのポイントランキング上位NSXによる三つ巴になることが予想された。
そしてレクサスLC500はTEAM TOM'Sの2台、36号車auと1号車KeePerが4,5番手につけ決勝での巻き返しを狙う。オートポリスのレースセッティングでは一日の長があるチームだけに目が離せない存在。
逆襲のレクサス
予選日とは打って変わり雲ひとつ無い晴天となった日曜日の14時過ぎ、65周の決勝レースがスタート。8号車、17号車NSXは順位をキープするが,、100号車NSXは36号車LC500にかわされ4位に後退。TEAM TOM'Sの快進撃が始まる。
36号車au TOM'S LC500は11周目までにさらに2台のNSX-GTを抜きトップに浮上。路面温度の上昇を見込んだセッティング、タイヤチョイスが成功したのか、その後も徐々にペースを上げて独走態勢に入る。またその後方では1号車KeePer TOM'S LC500が100号車をパス、着実にポジションを上げていく。
19周目にGT300クラスのマシンがコースサイドにストップしたことにより20周目にSC導入、一旦その差はなくなるものの、25周目のリスタート後もペースは変わることなくトップをキープ。
チャンピオン対決
リスタート直後にピットインしたのは100号車NSX-GT、J・バトンから山本尚貴へとドライバーチェンジ。HONDAのエースがチャンピオン獲得のため追い上げを開始するが、ピットタイミングを遅らせたレクサス勢4台に先行されNSX勢最上位でゴールするも5位どまりに。
レース終盤ペースの落ちた36号車に譲られた形でトップに立ったのは、6戦終了時でランキング3位につけている1号車KeePer TOM'S LC500(平川亮・ニック・キャシディ)。ホンダ勢のチャンピオン獲得を阻止する役割を一身に受けてのトップチェッカー。これでランキング首位の100号車RAYBRIG NSX-GTに同ポイントで並んだ。
2位にはそのまま36号車au TOM'S LC500が入り、SC導入を読んでいたのか2回のタイヤ交換を行いながらも19号車WedsSport ADVAN LC500が3位表彰台を獲得。4位の38号車ZENT CERUMO LC500まで上位4台をレクサス勢が占拠するという、前日には予想だにしなかったレース結果となった。
最多勝利争いも過熱
GT300クラスでは、ポールを獲得した25号車HOPPY 86 MCの不運もあって、ピットインを遅らせた96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男・中山雄一)が予選10番手からの逆転勝利。またランキングトップの55号車ARTA BMW M6 GT3(高木真一・S・ウォーキンショー)が予選22番手から脅威の追い上げで4位に入賞、チャンピオン獲得に王手をかけた。そして新田はかつてペアを組んでいた高木の最多勝記録20勝に再び並ぶこととなった。
(PHOTO:井上雅行)