誰もがジープとわかるがすべてが新しい
ジープラングラーのフルモデルチェンジは一見、大きく変わっていないように見える。これまで継承してきた伝統のスタイリングや独自の世界観に変わりがないからだが、その中身は一新され、現代の SUV に求められる快適性や居住性、質感、安全性、燃費性能を大幅に向上させているのが大きな特徴となっている。
4×4 システムはラングラー史上初となるフルタイムオンデマンド 4×4 システムを採用。このシステムは「4H AUTO」モードを備え、路面や天候状況に応じて駆動力を自動的に前後配分し舗装路を含むあらゆる路面に対応。オフロードでは、「4H」または「4L」のパートタイムモードに切り替えることでデフロックが可能となり、強力なトラクションを発揮する。走破性能へのこだわりははジープらしいところだ。
デザインは誰もがジープとわかるものとしながら、ドアパネルやフェンダー、ウインドシールドフレームにはアルミニウムを、スイングゲートの骨格部分や内側パネルにはマグネシウムを用いるなど、最新技術によって軽量かつ高強度に仕上げられているのもポイントだ。
また、フリーダムトップの取り外しがさらに容易に行えるようになった他、日本では公道走行することはできないが、ウインドシールドの前倒しやドアの取り外しもできるようになっている。
エンジンは2Lターボと3.6L、2ドアモデルも設定
まず日本市場に導入されることになったのは、新設計の 2Lターボエンジンを搭載する4ドアの「アンリミテッドスポーツ(Unlimited Sport)」と改良型 3.6Lエンジンを搭載する4ドアの「アンリミテッド サハラ ローンチエディション(Unlimited Sahara Launch Edition)」、同じく 3.6Lエンジン搭載の2ドア「スポーツ(Sport)」の3モデル。「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」は限定車でなく当面通常モデルとして販売、2ドアモデルの「スポーツ」は受注生産となる。
2Lターボユニットはツインスクロール式ターボの採用し、最高出力272ps、最大トルク400Nmを発揮。また、「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」と「スポーツ」に搭載される3.6Lユニットは自然吸気で、最高出力284ps、最大トルク347Nmと発表されている。ともにレギュラーガソリン仕様で、8速ATが組み合わされている。
プラットフォームはボデイオンフレーム方式を採用し、燃料タンクやトランスファーケース、オイルパンなどを保護するためスキッドプレートやサイドバーを装備。サスペンションは実績のある5リンクとしている
伝統的なジープでありながら、最新仕様であることを実感させられるのが、先進的な操作系や安全装備の充実ぶりだ。 インテリアではApple CarPlay、Android Auto に対応した最新世代のUconnectを全車に標準装備。プッシュボタンエンジンスターターやキーレスゴーシステム、フルカラーマルチビューディスプレイなどは、ラングラーとして初めての採用となる。
安全装備面では、後退時の後方確認を補助する リアバックアップカメラやリアパークアシストを全車に標準装備。さらに「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」には、フロントパークアシストやブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクションが標準装備となる。
車両価格は、アンリミテッドスポーツが494万円、アンリミテッド サハラ ローンチエディションが530万円、スポーツが459万円。
独自の世界観の下で、最新技術を集結して生まれ変わった新型ジープ ラングラーは果たしてどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。なお、究極のオフロード性能を追求した「ルビコン(Rubbicon」は年内に発表される予定だという。
ジープ ラングラー アンリミテッド スポーツ主要諸元
●全長×全幅×全高=4870×1895×1845mm
●ホイールベース=3010mm
●車両重量=1950kg
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1995cc
●最高出力=272ps/5250rpm
●最大トルク=400Nm/3000rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●車両価格=494万円
ジープ ラングラー スポーツ主要諸元
●全長×全幅×全高=4320×1895×1825mm
●ホイールベース=2460mm
●車両重量=1830kg
●エンジン=V6DOHC
●排気量=3604cc
●最高出力=284ps/6400rpm
●最大トルク=347Nm/4100rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●車両価格=459万円