日産ヘリテージコレクションに展示されているサーキットの猛者たち、その第2回目はプリンスR380を紹介しよう。日産ヘリテージコレクションには、往年のレースファンにとって忘れられない名車がズラリと並んでいる。(Motor Magazine 2017年3月号より)

国産初の純レーシングカー、プリンスR380

1960年代後半、日本GPは第3回大会より富士スピードウエイに舞台を移し、自動車メーカーが主体となるスポーツカープロトの戦いになっていった。そして時代は、ニッサン(プリンス)、トヨタ、ポルシェによるビッグマシンの戦いへと移っていく。

その発端となったのがプリンスR380だった。

第2回日本GPでプリンス(のちのニッサン)はスカイラインにグロリア用の直列6気筒エンジンを搭載したスカイラインGTで参戦し、ポルシェ904を一時抜き去ったものの惜敗。そこで、その敗戦を糧に純レーシングカーの開発に取りかかることになった。「R」はレーシング、「380」はプロジェクトナンバーを示していた。

このプリンスR380は、1966年に開催された第3回日本GPで見事に優勝を飾る(1965年はGPは開催されず)。そして、この勝利がスポーツプロトを開発していなかったトヨタの闘志に火をつけることにもなる。ちなみに、この年、1966年8月にプリンスと日産自動車は合併、その後、「プリンスR380」は「ニッサンR380」となる。

ニッサンR380は翌年1967年の日本GPにも参戦、総合2-3-4位に入っている。

日産ヘリテージコレクションには、1966年第3回日本グランプリ優勝車が展示されている。

画像: 1965年に登場、1966年の第3回日本GPでは1-2フィニッシュを飾ったプリンスR380。日本初の本格的レーシングプロトタイプカー。海外のレーシングパーツを使いながら独自にシャシを設計、エンジンはグロリア用の直列6気筒をフルチューンした専用のものだった。

1965年に登場、1966年の第3回日本GPでは1-2フィニッシュを飾ったプリンスR380。日本初の本格的レーシングプロトタイプカー。海外のレーシングパーツを使いながら独自にシャシを設計、エンジンはグロリア用の直列6気筒をフルチューンした専用のものだった。

プリンスR380 (1966年 日本GP優勝車両)

●全長×全幅×全高=3930×1580×1035mm
●ホイールベース2360mm
●エンジン= 直列6気筒DOHC(GR8型)
●排気量=1996cc
●最高出力=200ps以上/8400rpm
●最大トルク=17.5kgm以上/6400rpm
●車両重量=620kg

日産ヘリテージコレクション

日産自動車の80年あまりの歴史を見ることができるスペース。新型車の開発、試作、設計製作を行う日産の生産技術の拠点である座間事業所内に併設され、1930年代の生産車から歴代のレースカーまで、日産のオンロード、オフロード両面の歴史を物語る車両など約400台の記念車を所蔵し、うち常時約300台を展示している。日産自動車の座間事業所内に併設されているということもあって、公式サイトから応募フォームにより事前申し込みが必要だが、入場料はなんと無料。アクセスはあまり良くないが、行ってみる価値ありだ。

画像1: 日産ヘリテージコレクション
画像2: 日産ヘリテージコレクション
画像3: 日産ヘリテージコレクション

●住所:神奈川県座間市広野台2-10-1 
●入館料:無料(応募フォームにより事前申し込みが必要)
●開館日:申し込みカレンダーにて確認 
●駐車場:あり
●問い合わせ先:☎046-298-4355(受付時間:月〜金10:00〜16:00※ただし12:30〜13:30は除く)http://nissan-heritage-collection.com/
●電車でのアクセス:小田急江ノ島線南林間駅から神奈川中央交通バス「日産」「相武台前駅」「小田急相模原駅」行、「ひばりヶ丘1丁目(または小松原)」下車、徒歩7分。または相鉄本線さがみ野駅から相鉄バス「南林間駅」行「ひばりが丘1丁目(または口機入口)下車、徒歩7分
●クルマでのアクセス:東名高速道路「横浜町田インター」から国道16号線を八王子方面へ。国道246号線を左折、東原4丁目交差点を右折、2つめの信号を左折、1つめの信号(正門前専用信号)前が座間事業所2地区正門、約30分
●展示車両は入れ替えあり

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