豊かなライフスタイルを送るきっかけになるか!?
レクサスのSUVシリーズに加わったもっともコンパクトなモデル、それが“UX”だ。
コンセプトは「クリエイティブ アーバン エクスプローラー」。クリエイティブは「創造的で洗練された暮らし」、アーバンは「都市に映えるデザイン」、エクスプローラーは「UXと過ごすお客様の新しいライフスタイルへの期待」を表す。荒野のオフローダーというよりも、都会派のクロスオーバーと言っていいモデルである。
「偶然ですが、頭文字を取るとCUE(きっかけ)という言葉にもなり、生活の変化を期待する人の背中を押し、豊かなライフスタイルを送るきっかけになってほしいという願いをひと言で表現できているため、とても気に入っています。単なる大小や車格にとらわれない独自の個性を持ったモデルにしたいです」とチーフエンジニアの加古 慈氏は語る。ユーザーの生活が変わるきっかけになるようなクルマを目指した、というのだ。
デザインのキーワードは“セキュア”。SUVに備わる安心感や力強さなどを意味するという。厚みのあるボディや、大きく張り出したフェンダー、そしてその下で四隅に踏ん張るかのような大径化したタイヤからは、確かに頼もしい力強さを感じる。リアランプは、まるでレーシングカーのウイングのようなユニークさ。デザインは大胆だが、それでも決して粗野な印象にならないのがレクサスらしさだろう。
インテリアもエクステリア同様に“セキュア”をテーマにしつつ、包まれすぎずに見晴らしのよい開放感が大切にされている。ドライビングポジションの姿勢がセダン的に寝ているのも、クロスオーバーらしさの表れだろう。
最新プラットフォームを投入、ハイブリッド車も2L仕様
ハードウエアの特徴はGA-Cプラットフォームと最新パワートレーンの採用だ。GA-CラットフォームはTNGAコンセプトから生まれたもので、プリウスを皮切りにC-HRやカムリなどに採用、低重心にこだわって基本性能を大きく向上させ、非常に高い評価を得ているものだ。
新しいUXでは、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤、開口部の環状構造などの採用でより高剛性なボディを実現。さらにアルミ製サイドドアや樹脂製バックドアなどの導入で、軽量化とさらなる低重心化を達成している。シャシ系にも新技術を盛り込み、これまでのGA-Cプラットフォーム採用モデルよりも一歩進んだ内容となっている。
新開発パワートレーンの搭載は、UXの最大の特徴だろう。新しく開発された2L直4エンジンは、クラス最高レベルとなる約40%の最大熱効率を実現。低燃費だけでなく最高出力174ps/最大トルク209Nmというスペックも十分。さらに軽快な回転フィールと心地よいエンジンサウンドまでも備えるという。そこに組み合わされるのが、新開発のダイレクトシフトCVTだ。発進用の1速ギアが装備され、ダイレクトな加速感とCVTならではの優れた低燃費性能を両立させる。
ハイブリッド用システムも2Lエンジンを組み合わせる新開発のものである。トランスアクスルやコントロールユニット、バッテリーは小型化されて、室内空間の拡大だけでなく低重心化にも貢献している。JC08モード燃費で27.0㎞/Lは立派な値だ。
UX200が2Lガソリンモデル、UX250hが2Lハイブリッドモデルで、各々にベースモデル、ミドルグレードの“バージョンC”、スポーティな“Fスポーツ”、ラグジュアリーな“バージョンL”を揃え、UX250hには後輪をモーターで駆動するE-Fourの4WDも設定される。
“Fスポーツ”には、走りのイメージを強める専用デザインのメーターパネルやインテリア、そしてスポーツシートを採用する。
洗練されたデザイン、評価の高いプラットフォームと最新パワートレーン、そして扱いやすいサイズ感と、ヒット作の要素はたっぷりだ。(文:鈴木ケンイチ)
レクサス UX200 “F SPORT” 主要諸元
●全長×全幅×全高=4495×1840×1540mm
●ホイールベース=2640mm
●車両重量=1490kg
●エンジン=直4DOHC
●排気量=1986cc
●最高出力=174ps/6600rpm
●最大トルク=209Nm/4000-5200rpm
●トランスミッション=CVT
●駆動方式=FF
●車両価格=443万円
レクサス UX250h “version L” 主要諸元
●全長×全幅×全高=4495×1840×1540mm
●ホイールベース=2640mm
●車両重量=1580kg
●パワートレーン=直4DOHC+モーター
●エンジン排気量=1986cc
●最高出力=146ps/6000rpm
●最大トルク=188Nm/4400rpm
●トランスミッション=電気式無段変速
●駆動方式=FF
●車両価格=509万円