最終ラップのアクシデントとレース後の逆転ドラマ
今年の香港E-PrixはフォーミュラEにとって50戦目に当たる記念大会でもあった。サーキットは香港のセントラルバーバーに面した1.890kmの特設ストリートコース。抜きどころがほとんどないため、10日午前中に開催された予選がまずは勝負の鍵となった。
しかし、この日の天候は雨模様。参加22台が4つに分かれた予選グループセッション、そしてその上位6台が臨むスーパーポールとも、雨が降ったり止んだりの天候の中で、アタックのタイミングが明暗を分けた。
ポールポジションを奪ったのは、予選グループ4でベストタイムを出し、スーパーポールで最後にアタックすることになったストフェル・バンドーン。今年からフォーミュラEに乗るバンドーンにとっても、来年からフォーミュラEに参加するメルセデスの尖兵として送り込まれているHWAレースラボチームにとっても、記念すべき初めてのポールポジション獲得となった。
午後4時からのレース(45分+1周)は、曇天ではあるもののドライコンディションでのレースとなる。ポールポジションのバンドーンは出遅れ、予選2番手のオリバー・ローランド(ニッサンe.dams)がトップに躍り出る。
しかし、後方グループのアクシデントにより3周で赤旗となり、ローランドはレース再開直後、サム・バード(ヴァージン・レーシング)と接触、トラブルを起こし失速してしまう。
これで首位に立ったバードもヘアピンでミス、その隙をついたアンドレ・ロッテラー(DS・テチータ)がポジションを奪う。レースはここからロッテラーとバードの一騎打ちに。ロッテラーはバードを突き放せないものの、巧みなブロックで終盤までバードを抑え込んだ。
ドラマが起きたのは最終ラップ直前。90度コーナーへのブレーキングでロッテラーの右リアにバードが接触。ロッテラーのマシンは右リアタイヤをパンクしてストップ。一方のバードは最終ラップも無事に走り切ってトップでチェッカーを受けた。
しかし、レース終了後にバードに5秒ペナルティの裁定が降り、2位でフィニッシュしたエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリー)が繰り上がりで優勝となった。バードは結果的に6位となった。
2018-2019フォーミュラE 第5戦 香港E-Prix 最終結果
優勝 エドアルド・モルタラ/ヴェンチュリー・フォーミュラE 36周
2位 ルーカス・ディ・グラッシ/アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラE +0.988秒
3位 ロビン・フラインス/エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング +1.536秒
4位 ダニエル・アプト/アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラE +1.985秒
5位 フェリペ・マッサ/ヴェンチュリー・フォーミュラE +3.258秒
6位 サム・バード/エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング +3.306秒
7位 ミッチ・エバンス/パナソニック・ジャガー・レーシング +5.711秒
8位 ゲイリー・パフェット/HWA・レースラボ +6.062秒
9位 オリバー・ターベイ/NIO・フォーミュラE +7.318秒
10位 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ +8.186
2018-2019フォーミュラE ドライバーズランキング
1位 サム・バード/エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング 54
2位 ジェローム・ダンブロシオ マヒンドラ・レーシング 53
3位 ルーカス・ディ・グラッシ/アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラE 52
4位 エドアルド・モルタラ/ヴェンチュリー・フォーミュラE 52
5位 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ 47
2018-2019フォーミュラE チームランキング
1位 エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング 97
2位 アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー・フォーミュラE 86
3位 マヒンドラ・レーシング 83
4位 ヴェンチュリー・フォーミュラE 66
5位 BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ 65