セカンドグループのトップを走れる実力を示したクビアト
健闘を見せたトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトだったが、誤算は予選Q2での失敗だった。Q3に進出できる速さを見せていたにもかかわらず、ここで実力を発揮することができず予選15番手に沈んだことが大きかった。
オーバーテイクが難しく、前が空いているかどうかでペースもタイヤの持ちも劇的に変わるのがアルバートパークサーキットの特徴。そこでクビアトは決勝レースをミディアムタイヤでスタート。中団の混戦の中でレースを進めながら、上位進出を狙う戦略を採った。
その戦略とはミディアムタイヤでスタートした利点を生かしてタイヤ交換をできるだけ遅らせるというもの。前方のマシンがピットインしていく中でポジションを次々と上げ、26周目にソフトタイヤに交換すると、10番手でコースに復帰。この後、後続のオーバーテイクを許さず10位でフィニッシュした。
クビアトは今回のレースについて「予選で実力を出しきれなかったことが残念です。レースを通して上手くタイヤをマネジメントできましたが、オーバーテイクが難しいサーキットで、前を走るマシンを抜けませんでした。ただ、自分より速いマシンを抑えきれたことには満足しています」とコメントしている。
ポイント獲得の可能性も見えたアルボン
一方、予選を13番手で通過したアレクサンダー・アルボンは、決勝のスタートタイヤにチームメイトと異なるソフトを選択した。
アルボンはF1デビュー戦で、かつ簡単なサーキットでないのにもかかわらず、レースではミスもなく一時11位までポジションを上げ、結局14位でフィニッシュしている。
オーストラリアGP決勝を終え、アルボンは「今日は少し複雑な気分です。初めてのレースウイークでしたが、一体どのようなものになるのか事前に想像できませんでした。レースは上手くスタートでき、混戦の中でいくつか順位を上げ、ポイント圏内まではあと1台というところまで行くことができました。もしかしたらポイントを取れたかもしれないと思うと少し悔しい気持ちですが、いい経験になりました」と語っている。
田辺豊治HONDA F1テクニカルディレクターは「表彰台に上ったことは一歩を踏み出したと感じていますが、もっとパフォーマンスを上げないとまだトップには届かないことも実感しました。フェルスタッペン選手が表彰台、クビアト選手が10位入賞を果たすなど、4台がすべて完走、マシンにポテンシャルがあることも確認できましたし、いい開幕戦になりました」と、ホンダのパワーユニットを搭載するマシンは4台すべてが完走を果たしたことにホッとしながら、すでに次戦を見据えている。
2019年 F1オーストラリアGP レッドブル/トロロッソ 結果
33 マックス.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)予選4位 決勝3位
10 ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)予選17位 決勝11位
26 ダニエル・クビアト(トロロッソ・ホンダ)予選15位 決勝10位
23 アレキサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)予選13位 決勝14位