スーパーセブンをベースにしながら、高性能かつラグジュアリーに
1957年に発表されたロータス・セブンは、公道を走れるクラブマンレーサーだった。高性能エンジンを搭載した「スーパーセブン」も登場し、イギリスではキットカーとしても発売された。
1973年にロータス社は販売代理店だったケータハム社へ製造販売権や部品、製造設備などを売却し、その後はケータハム社が現在もスーパーセブンを製造し続けている。
![画像: ケータハム社のセブンよりひとまわり大きいが、それでも5ナンバーに収まるサイズだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/26/ec142bea6070230cfb55c524074288edb56e2371_large.jpg#lz:xlarge)
ケータハム社のセブンよりひとまわり大きいが、それでも5ナンバーに収まるサイズだ。
セブンのリプロダクションモデル、いわゆるレプリカは世界各国で生産されており、ここで紹介するイギリスのウエストフィールド社もそのひとつだ。取材車はウエストスポーツ S IV。先に発売されていたS IIやS IIIをベースに、高性能かつラグジュアリーな装備をしつらえたモデルだった。
万が一の衝突衝撃の吸収を考慮し、しかもコクピットまわりの居住空間を広げるために、ボディサイズはS II/S IIIに比べて90mm長く、65mm幅広く、30mm高くなった(幌を上げた状態)。
FRP製のカウルは仕上げが良く、ボンネットリッドはパワフルなエンジンを搭載するためパワーバルジが設けられていた。
![画像: フォード製の1.8L直4DOHCは130psと16.5kgmを発生。インジェクション装着なので始動も楽で音も静かだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/26/eab64fa64714eb50e1f0dcf6f9af77d305cdcc54_large.jpg#lz:xlarge)
フォード製の1.8L直4DOHCは130psと16.5kgmを発生。インジェクション装着なので始動も楽で音も静かだ。
この手のモデルとしては本革張りのシートの座り心地は良く、長距離ツーリングでも疲れにくい。レザーで覆われたインパネにVDO製のメーターが並ぶインパネまわりの仕立てにも上質感があり、眺めているだけでも楽しい雰囲気がしっかり備わっており、大人のためのインテリアのようだ。
![画像: インパネはレザーで覆われている。ミッションは5速MTで、リバースはノブ下のリングを引き上げて右手前に。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/26/10f9c32e91525d7205afa756ebeb52b77c06d01a_large.jpg#lz:xlarge)
インパネはレザーで覆われている。ミッションは5速MTで、リバースはノブ下のリングを引き上げて右手前に。
パワーユニットは、当時シエラなどに搭載されていたフォード製の1.8L 直4DOHC。電子制御燃料噴射装置を備えて、130psと16.5kgmを発生した。ちなみにS IIは1.6Lの直4SOHCで110ps/14kgmだった。
ボディの大型化やエンジンの排気量アップなどで車重は110kgほど重くなっているが、ボディフレームは強化されており、ドライバビリティの向上が図られていた。
![画像: 見た目から想像されるよりは居住性にゆとりがあるコクピット。シートの座り心地も良い。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/26/b3f984ec462192d42649b802de05ce89aa0a470b_large.jpg#lz:xlarge)
見た目から想像されるよりは居住性にゆとりがあるコクピット。シートの座り心地も良い。
ロックtoロック2.5回転のステアリングはクイックだが、高速直進性は悪くない。ハンドリングも想像するよりは安性サイドに振られてコントロール性は良い。
峠のワインディングを攻めまくるのではなく、休日の小旅行の道すがらにワインディングを親しむような、クルマ好きの粋な大人のためのスポーツカーといえるだろう。
![画像: ボンネットのパワーバルジが勇ましい。ドアやソフトトップは取り外し式だ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/26/770ed569e9aff36b5dad36937e22d33fa4480b19_large.jpg#lz:xlarge)
ボンネットのパワーバルジが勇ましい。ドアやソフトトップは取り外し式だ。
ウエストスポーツ S IV(1993年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3702×1625×1054mm
●ホイールベース:2335mm
●重量:690kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1796cc
●最高出力:130ps/6250rpm
●最大トルク:16.5kgm/4250rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/50ZR15