盛り上がりを見せるST-TCRクラス9台目のエントリーは、22号車WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS。Bドライバーに千代勝正を起用し予選ではコースレコードを塗り替える。合算タイムによりクラス2番手からのスタート。一方、チャンピオンマシンの97号車Modulo CIVICは、ウォームアップ中にトラブルが発生し出走できなくなってしまう。
開幕よりクラス2連続ポールの19号車BRP★Audi Mie RS3 LMSが危なげないスタートを決める。2周目には上位クラスのマシンさえオーバーテイクし、早くも後続との差を広げ始める。
一方、2番手スタートの22号車アウディは徐々にポジションダウン。45号車BRIN・NAUB RS3 LMS、75号車AZIMUTH CIVIC TCR、さらには10号車IDI GOLF GTI TCRにも交わされてしまう。
6番手に65号車Phenomen Mars Audi RS3 LMSを挟んで、7,8番手に501号車KCMG Annika CIVIC TCR、108号車冴えカノfineレーシングwithRFCと2台のシビックが連なる。
レース前半に2度のFCYが導入されると、19号車アウディは2回のピットストップ、ドライバー交替義務をここで全て消化。コース上にステイした75号車シビック、1度ピットに入った45号車アウディが上位を走行する。そしてレースはこの後さらに荒れた展開に。
まずはクラス6番手走行中の22号車アウディの左前輪がストレートエンドでバースト。フロントフェンダーを破壊しながらコースを一周しピットに戻る。マシンを修復しコース復帰すると交替した千代勝正が気迫のドライビングでファステストラップを叩き出す。
クラス3番手走行の501号車KCMG Annika CIVIC TCRがコース上で突然ストップしそのままリタイヤ。そしてその横を通過する10号車ゴルフは55周目にST-Xクラスのマシンとクラッシュ、1回目のSC導入の原因となってしまう。さらには他クラスのマシンストップにより2度目のSC、燃料不足が唯一の懸念材料となっていた19号車アウディにとっては願ってもない展開に。
中団の混乱をよそに、2度のFCYの間にドライバー交替を含めたピット作業を全てこなした19号車BRP★Audi Mie RS3 LMSが、最後はペースコントロールする余裕さえ見せクラス初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾った。プラチナドライバーを擁しないドライバー構成が、2度のFCY、2回のSC導入という荒れたレースでは強みとなった。
2位には45号車BRIN・NAUB RS3 LMSが入り開幕戦に続きアウディ勢の1-2に。3位にシビック勢最上位で75号車AZIMUTH CIVIC TCRが入賞し、何とか表彰台独占を阻止した。出走できずノーポイントに終わった97号車Modulo CIVICにとっては、第3戦の富士24時間レースが早くも正念場となった。(PHOTO:井上雅行)
ST-TCRクラス決勝結果(完走6台)
1 19 BRP★Audi Mie RS3 LMS 太田佑弥/松本武士/篠原拓朗
2 45 BRIN・NAUB RS3 LMS 竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵
3 75 AZIMUTH CIVIC TCR 塚田利郎/蘇武喜和/オカハラタツヤ
4 108 冴えカノfineレーシングwithRFC ふじいじゅん/大野尊久
5 65 Phenomen Mars Audi RS3 LMS 岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔
6 22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS 堀主知 ロバート/千代勝正/KIZUNA
今回は3台のエントリーとなったGT4マシンで争われるST-Zクラスは、3号車ENDLESS AMG GT4が危なげないレース運びでポール・トゥ・ウィンを達成し開幕2連勝を飾った。
ST-Zクラス決勝結果(完走2台)
1 3 ENDLESS AMG GT4 内田優大/山内英輝/高橋 翼
2 2 ケーズフロンティア SYNTIUM KTM 飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂