今年もGW真っ只中に行なわれたシリーズ第2戦は、過去最大動員となる約56,000人もの観客で溢れかえった。午前中こそ爽やかな陽気であったが、決勝スタートの午後2時が近づくと天候は急変。直前に降り始めた雨によりSC先導でのスタートとなり、ポールポジションの23号車MOTUL AUTECH GT-Rを先頭に隊列を作る。周回数は110周、2回のピットインが予定されている。
3周目にSC解除となりレーススタート。すかさず2番手スタートの37号車KeePer TOM'S LC500が23号車GT-Rを交わすが、タイヤに熱が入ればペースに勝るのは23号車GT-R、すぐさまポジションを奪い返す。しかし13周目、38号車ZENT CERUMO LC500に一瞬の隙を突かれオーバーテイクを許してしまう。そして翌周には再度のSC導入、雷を伴った雨によりコンディションは悪化、やがて赤旗中断となる。
30分以上の中断の後、雨足が弱まったということでレースは再開。ここから38号車LC500、23号車GT-R、37号車LC500、12号車カルソニックIMPUL GT-R、さらには17号車KEIHINNSX-GTも加わった激しい上位争いが繰り広げられる。
40周過ぎから1回目のピットインが始まると、上位陣はこのタイミングでスリックタイヤへ交換する。しかし路面はまだ乾き切っていないため、コーナーをオーバーランするマシンが続出。そして37号車LC500と12号車GT-Rが接触しともにスピンし、この2台はトップ争いから脱落。
38号車LC500 VS 23号車GT-R、このレクサスと日産の対決は、実は装着タイヤの対決でもある。38号車はブリヂストン、23号車はミシュラン。セミウエットからドライへ、路面コンディションの微妙な変化もあって、この2台による抜きつ抜かれつのマッチレースへと局面は変化する。
予選は振るわず12番手スタートとなったチャンピオンマシン1号車RAYBRIG NSX-GTは、序盤に他車との接触で最下位に落ちるも早めのドライへの交換で凄まじい追い上げを見せる。徐々にポジションを上げ最終スティントはジェンソン・バトンから山本尚貴へバトンタッチ。
2度目のピット作業を終えトップに立っていたのは23号車GT-R。すでに時刻は午後6時も近づき路面温度も低下。ここでミシュランタイヤの特性か、23号車GT-Rは時折コーナーでテールスライドを起こしペースが下がり始める。やがてその背後に38号車LC500が忍び寄り、そしてついに99周目オーバーテイク。
抜かれた23号車GT-Rは38号車LC500に着いて行くことができず、その差は広がってゆく。そしてそのまま110周を走りきり38号車ZENT CERUMO LC500がトップチェッカー。2位は23号車MOTUL AUTECH GT-R。
レース終盤の3位争いは、1号車RAYBRIG NSX-GTが39号車DENSO KOBELCO SARD LC500を残り5周で捉えて決着。しかしすぐ後ろまで17号車KEIHIN NSX-GTが迫っており最後まで目が離せない展開であった。
強豪のLEXUS TEAM ZENT CERUMOだが、スーパーGTでの勝利はちょうど2年前の5月、この富士戦以来。今年よりレースチームの経営側となった立川祐路と石浦宏明は、どうしても欲しかった勝利をホームコースでもある富士スピードウェイで見事手にした。2位の松田次生、ロニー・クインタレッリは2戦連続の2位でポイントリーダーに立った。(PHOTO:井上雅行)
スーパーGT選手権第2戦結果(ポイント獲得者)
1位 38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)
2位 23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
3位 1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)
4位 39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
5位 17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バケット)
6位 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ)
7位 37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)
8位 6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)
9位 8 ARTA NSX-GT(野尻智也/伊沢拓也)
10位 64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケイヤン/牧野任祐)