フェラーリを速さと戦略で制して表彰台を獲得
フェルスタッペンにとってまず予選で4番手に入ったことが大きかった。しかも、予選3番手のセバスチャン・ヴェッテルとのタイム差はわずか0.085秒。フェラーリと対等に戦えることを印象づけた(ちなみにチームメイトのピエール・ガスリーも6番手に入っている)。
決勝スタートの1コーナーでは、バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、ヴェッテルのバトルから一歩引く形となったが、それが功を奏し、この後にブレーキングで姿勢を乱したヴェッテルをパスして3番手に浮上する。
スタートの攻防も数周で落ち着き、各車タイヤをケアしながらギャップを開けての走行となるが、前述のブレーキングでタイヤを傷めたヴェッテルはペースが上がらず19周目に早くもピットインして新品のミディアムタイヤに交換する。翌周にはフェルスタッペンもアンダーカットに対応するためピットイン、新品のソフトタイヤを装着して2ストップ作戦に切り替える。上位陣で唯一新品のソフトタイヤを持っていたフェルスタッペンは、これでメルセデスAMG勢にもプレッシャーをかけることになる。
26周目にはボッタス、27周目にはハミルトンがピットインしてともに新品のミディアムタイヤに交換する。やはり2ストップ戦略。これに対してシャルル・ルクレール(フェラーリ)は25周目に新品のハードタイヤに交換。これで最後まで走り切る作戦だ。
2回目のピットインは、ヴェッテルが40周目に再び新品のミディアム、フェルスタッペンは43周目にやはり新品のミディアムに交換した。
メルセデス勢はボッタスが45周目にユーズドのソフトに交換。その直後にノリスとストロールの接触でセーフティカーが導入、ピットインを予定していたハミルトンにとっては絶好のタイミングとなった。しかも、残り周回数が少なくなり、最後にユーズドのソフトタイヤを装着するメルセデス勢に有利な展開となっていく。
注目は1ストップ戦略のルクレールだったが、ペースが上がらずチャレンジは失敗、ピットインして5番手にドロップする。ヴェッテルもタイヤに苦しみペースが上がらず、これでフェルスタッペンの3位が確定した。
フェルスタッペンはレース後、「フェラーリとバトルできるチャンスがあると確信していましたし、その通りになりました。スタートでは上位3台が1コーナーで同時に突っ込むという荒れた展開となり、接触を避けるためにその争いから一歩引くことにしましたが、結果ターン2からターン3へのベストなライン取りができました。ここで3番手に上がったことは、自分のペースと戦略で走るためにとても重要でした。メルセデスには届きませんでしたが、安定したラップタイムで走ることができたし、表彰台獲得はとても喜ばしい結果です。今後の正しい方向性をつかむために、来週のテストでいくつか新しいことをテストする予定です」と語っている。
次戦は伝統のモナコGP。抜きにくい市街地コースのため、ここでも予選が重要となる。モナコGPは5月24日-26日に行われる。