2019年6月28日、F1第9戦オーストリアGPがレッドブルリンクで開幕する。フランスGPから2週連続開催となるこのグランプリは、レッドブル・ホンダとトロロッソ・ホンダの両チームにとって「ホームグランプリ」、特別なレース週末になる。(タイトル写真は2018年オーストリアGP。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った)

昨年はレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝

オーストリアGPが開催されるレッドブルリンクは、かつてエステルライヒリンク、A1リンクと呼ばれたサーキットで、2004年にレッドブルがオーナーとなり全面改修、2011年に現在の名称でオープンした。オーストリアの緑あふれるのどかな丘の中にあるコースは、滑らかな路面とアップダウンを特徴としている。このサーキットはシュピールバーグと呼ばれることもある。

山間部にあるため起伏に富み、ここではエンジンパワーが重要な要素となる。エンジン全開率は66%と高く、平均速度は230km/hと高い。1コーナーから3コーナーまで急な上りが続き、その後はホームストレートまでダウンヒルとなる。最大のオーバーテイクポイントは3コーナー。1コーナーから上り坂のほぼストレートで、このコーナーはヘアピンに近いイメージとなる。また最終コーナーは逆バンク気味となっており、距離の短いコースだが1周をうまくまとめるのは難しい。

また、平地に比べて酸素濃度が小さくなるため、高いエアロダイナミクスが要求されると同時に、冷却効率や過給効率も課題となる。さらに、不安定になることが多い天候も気になるところだ。

オーストリアGPのポイントは、いかにマシン、エンジン、タイヤを労わり無事にフィニッシュするかだろう。レッドブルリンクはマシンへの負荷が大きく、昨年2018年は、高い信頼性を誇っていたメルセデスAMGの2台までもがトラブルに見舞われ、全5台がリタイアしている。ここまでメルセデスAMGの連勝が続いているが、今年はどうなるだろう。

昨年は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、4番グリッドからタイヤ戦略をうまくまとめて、ルイス・ハミルトンを敗り優勝している。

画像: レッドブルリンクのコースレイアウト。1周約4.3kmと短くコーナーの数も少ないが、アップダウンがあり、簡単なコースではない。

レッドブルリンクのコースレイアウト。1周約4.3kmと短くコーナーの数も少ないが、アップダウンがあり、簡単なコースではない。

画像: 各ドライバーのタイヤ選択。路面は滑らかでタイヤの劣化は大きくないが、暑さと天候が問題になるかもしれない。

各ドライバーのタイヤ選択。路面は滑らかでタイヤの劣化は大きくないが、暑さと天候が問題になるかもしれない。

ホンダのスペック3の新エンジンは順調に機能、2戦めに向けて気合が入る

ホンダはフランスGPで投入したスペック3のパワーユニットをトロロッソのアレキサンダー・アルボンのマシンにも搭載、4台揃ってのポイント獲得を狙う。レッドブルのホームグランプリだけにホンダとしても気合が入る。

ただし、アルボンはパワーユニットの使用基数制限を超えてグリッド降格のペナルティを受けることになる。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

「昨年はここで優勝できたこともあり、オーストリアの地に戻ることを楽しみにしています。レッドブルのマシンをドライブしてレッドブルブルリンクで勝つことは、とても特別なことでした。ここではどの観客席からもトラック全体を見渡せるレイアウトのおかげで、とてもいい雰囲気になります。1周は短いのですが、さまざまなタイプのコーナーがあるため最適なセットアップを見つけるのは簡単ではありません。ホームレースということでチームのモチベーションも上がりますし、今週はアドレナリンが出続ける一週間になりそうです」

ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)

画像: ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)

「今年初のバック・トゥ・バックレース(2週連続レース)を迎えることになりますが、レースをするのが大好きなので、年間で最も楽しみなイベントのひとつです。レッドブルチームのドライバーとしてオーストリアでレースをすることはとても特別な気分ですし、たくさんのファンに会えることを楽しみにしています。レッドブルにとっては相性のいいサーキットなので、できる限りの結果を目指してプッシュしていきます」

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)

画像: ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)

「ストレートと高速コーナーが組み合わされ、F1マシンがそのポテンシャルを存分に発揮していることを感じられるコースレイアウトになっています。ハードブレーキングが必要な低速コーナーもありますし、下り坂ではスピードを落とすのにいつより時間が必要なので、ブレーキをかけるタイミングを見極めなければなりませんが、同時にそれはオーバーテイクのチャンスが多いことも意味しています。それに坂を駆け下りていくハイスピードコーナーもとても楽しいです。アップダウンが多いこのサーキットは僕のお気に入りです」

アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)

画像: アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)

「レッドブルリンクはコーナーの数が少なく、そのうちのほとんどがハイスピードコーナーなので、きちんとクリアすることがとても大切になります。アップダウンもたくさんあるので難しい部分もあるのですが、そのおかげでレースはおもしろいものになるでしょう。下り坂ではブレーキさえうまく決められればオーバーテイクのチャンスになります。また、3本のストレートではスリップストリームの影響が非常に大きいことも特徴のひとつです。緑に囲まれた美しいサーキットですし、僕たちにとってはホームレースになります。いいレースにしたいと思っています」

F1第9戦オーストリアGPは、6月28日金曜日11時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で幕を開ける。予選は6月29日15時(日本時間22時)、決勝は6月30日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。

2018年 F1オーストリアGP 予選結果(参考)

1位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)1:03.130
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:03.149
3位 7 K.ライコネン(フェラーリ)1:03.660
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル)1:03.840
5位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ)1:03.892

2018年 オーストリアGP 決勝結果(参考)

優勝 33 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2位 7 K.ライコネン(フェラーリ)
3位5 S.ヴェッテル(フェラーリ)
4位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ)
5位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)

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