ランプ(ramp)は、傾斜路や斜面という意味を持つが…
ラジオを聞いていると必ずと言っていいほど流れてくる交通情報。ラジオパーソナリティによる「日本道路交通情報センターの○○さーん」という呼び声から始まる、高速道路や一般道などにおける交通事故や渋滞、災害など道路関連の情報を届けてくれるサービスだ。
その放送の中で、「インターチェンジ」や「ジャンクション」など私たちが普段使う言葉としても馴染みのある道路構造物の名称を表すさまざまな単語が聞こえてくる。その一方、こうした言葉の中でも「ランプ」を使い慣れている人は少ないかもしれない。
「夜間、○○のランプを閉鎖します」や「○○のランプが開通しました」といった言葉を聞くものの、これはもちろん光源としてのランプ(lamp)とはスペルも意味も違う。道路構造物としてのランプ(ramp)は斜面/傾斜路の他にも、動詞としての「傾斜する」という意味も持つ。では、実際に「ランプ」とはどこのことを表すのか。
ランプはインターチェンジやジャンクションの一部分を表す
高速道路には「インターチェンジ」や「ジャンクション」、「ランプ」などと呼ばれる場所がある。インターチェンジは、一般道から高速道路へと出入りする場所を示す言葉で、「IC」と省略されることも多い。また、東京都を中心に走る首都高速では、インターチェンジのことを「出口」と「入口」と呼んでいる。
一般道から高速道路へ流入するインターチェンジは、たいていの場合、立体交差の構造となっている。その一般道と高速道路、高低差のある2本の道路を結んでいる傾斜路のことを「ランプ」と呼んでいるのだ。正式には「ランプ・ウェイ」となる。高速道路と高速道路を結ぶ傾斜路も「ランプ」であることに変わりはない。
高速道路の入口を「オン・ランプ」、出口を「オフ・ランプ」と呼ぶこともある。さらに細分化すると、オン・ランプは「合流車線」や「加速車線」と呼ばれることもある。逆にオフ・ランプは「分流車線」や「減速車線」と呼ぶこともあるのだ。
ちなみに、複数の高速道路が接続するところは全体として「ジャンクション」と呼ばれ、表記は「JCT」と略されている。交差する高速道路の配置によって、「クローバー型」や「トランペット型」、「Y型」の他にも、「タービン型」や「ダイヤモンド型」などの呼び名が存在している。(文:鈴木ケンイチ)