2019年7月28日、F1世界選手権第11戦ドイツGPがホッケンハイムリンクで開催され、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがシーズン2勝目を飾った。2位は20番グリッドからスタートしたフェラーリのセバスチャン・ヴェッテル。3位には14番グリッドからスタートしたトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが入り、ホンダのパワーユニット搭載車が1位と3位を占めた。(タイトル写真は今季2勝目を飾ったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン)

大乱戦をフェルスタッペンの技が制す

今季初めてのウェットレースは、多くのトップドライバーがスピン&クラッシュに沈むという大荒れの展開となったが、フェルスタッペンが見事に今季2度目のトップチェッカーを受けた。

予選2位、フロントロウのフェルスタッペンは、スタートでトラクションがかからず4番手まで後退、すぐにキミ・ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)をかわして3番手に上がったが、2番手を走るバルテリ・ボッタス(メルセデス)を抜ききれない。ところがしばらくするとピレリのウェットタイヤがそれほど長く保たないことがわかり、ここからのレースはセーフティカー&バーチャルセーフティカーや路面状況などの機を見てのタイヤ交換合戦となる。

フェルスタッペンはウェットタイヤからインターミディエイト、そしてドライのミディアムへと交換。直後のターン13ではあわやのスピンを喫し、1周遅れでピットに入ったボッタスをまたもかわせない。

勝機は28周目に訪れた。まず完璧なタイミングでソフトタイヤに換えたと思われたシャルル・ルクレール(フェラーリ)がコースアウトしてストップ。さらにセーフティカーが出た29周目には、同じくソフトタイヤに換えていた首位独走のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が再び雨が降り出した状況でコースオフしてフロントウイングを破損、緊急ピットインするという事態に。

騒然とした状況の中でフェルスタッペンは素早くピットに入ってインターミディエイトに交換し、タイヤ交換が1周遅れたボッタスを逆転。これで首位に立ったのだ。

フェルスタッペンはその後の再度のインターミディエイトへの交換、さらにはレース終盤のソフトタイヤへの交換も完璧なタイミングで決め、首位をがっちりキープ。第9戦オーストリアGP以来のシーズン2勝目を決めた。

後方では終盤のソフトタイヤへの交換を素早く決めたクビアト(トロロッソ・ホンダ)が殊勲の3位。アルボンも6位に入り、ホンダにとっては1、3、6位を占める最高の結果となった。

画像: 3位に入賞したトロロッソ・ホンダのダニール・クビアト。

3位に入賞したトロロッソ・ホンダのダニール・クビアト。

ヴェッテルが最後尾から2位。必勝を期したメルセデスは惨敗

レースの冠スポンサーでもあるメルセデスはまさかの惨敗に終わった。

独走態勢から自らのミスで5番手まで後退、さらには無理なピットレーンへの侵入による5秒ペナルティ、再度のスピンなどで遅れたハミルトンは入賞にも届かない11位フィニッシュ(レース後アルファロメオの2台がペナルティで10秒加算となったため9位に昇格)。

フェルスタッペンを追いかけたチームメイトのボッタスも、タイヤ交換の妙で2番手を走行していたランス・ストロール(レーシングポイント・メルセデス)を抜きあぐねていた56周目にスピン、クラッシュを喫し、メルセデスにとっては散々な1日になってしまった。

一方、予選でのターボトラブルで最下位グリッドからのスタートとなったヴェッテルは、迷うことのない積極的なタイヤ交換で着実に順位をアップ。最後のセーフィティカー明け、残り5周のスプリント勝負でストロール、クビアトをかわして2位でフィニッシュ。前日はトラブルで沈み、レースでもルクレールのクラッシュで暗いムードが漂っていたフェラーリに、わずながらも笑顔を取り戻すことに成功した。

第12戦ハンガリーGPは8月4日、首都ブタペスト近郊のハンガロリンクで開催される。

画像: トロロッソ・ホンダのダニール・クビアト(左)と優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ホンダがダブル表彰台を達成。

トロロッソ・ホンダのダニール・クビアト(左)と優勝したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ホンダがダブル表彰台を達成。

F1第11戦ドイツGP決勝 結果

優勝 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 64周
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+7.333s
3位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+8.305s
4位 18 L.ストロール(レーシングポイント・メルセデス)+8.966s
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+9.583s
6位 23 A.アルボン (トロロッソ・ホンダ)+10.052s
7位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ)+16.838s
8位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+18.765s
9位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+19.667s
10位 88 R.クビサ(ウイリアムズ・メルセデス)+24.987s
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14位 10 P.ガスリー (レッドブル・ホンダ)+3周

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)225
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)184
3位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)162
4位 S.ヴェッテル(フェラーリ)141
5位 C.ルクレール(フェラーリ)120
6位 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 55

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 409
2位 フェラーリ 261
3位 レッドブル・ホンダ 217
4位 マクラーレン・ルノー 70
5位 トロロッソ・ホンダ 42

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