ホンダの4台入賞はならなかったがパフォーマンスに手応え
レース残り5周、フェルスタッペンがトップ、クビアトが3位走行を続ける中、アルボンとガスリーが6番手争いを続けていた。
ホンダのパワーユニット搭載車が4台ともトップ10フィニッシュかと期待されていたが、アルボンとガスリーはふたりともその先のカルロス・サインツ(マクラーレン・ルノー)まで狙っていたこともあり、ガスリーがアルボンに追突する形で接触。ガスリーはフロントウイングを壊し、タイヤを傷つけてリタイア。アルボンはそのまま走り続けて6位でゴールした。
ホンダにとっては残念なアクシデントとなったが、これもバトルの中で起きたことであり、ガスリーがアルボンに謝罪している。
アルボンとガスリーは、この日、ここまで激しい戦いを繰り広げていた。17番グリッドからスタートしたアルボンは、早めのタイヤ交換とウエットコンディションでの力強い走りで上位に進出、一時は4番手を走行するパフォーマンスを見せていた。
アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
「ウエットコンディションでマシンがどう反応するか確かではなかったので、スタートは少し慎重になりました。F1で初めてこのようなコンディションで走行しましたが、満足のいくパフォーマンスを見せることができたと思っています。レースペースもよく、運もありましたし、最初のピットストップのタイミングの判断もよかった。4番手を走行していた時は、さあ、行くぞ!ととても興奮しました。残念ながらウエットタイヤからドライタイヤに替えるための2回目のピットストップはタイミングを逃し、クビアト選手の一周後に入ることになり、その間に4台に抜かれてしまいました。あの厳しい予選から決勝にはここまで持ち直してくれた、チームのすばらしい働きに感謝しています」
一方のガスリーは4番グリッドからスタートで失敗。8番手に後退した後も、ブレーキミスやタイヤ選択の失敗もあってポジションを落としたが、最後のソフトタイヤでの交換をタイミングよく決めて、ついに6番手争いまで盛り返していたのだった。
ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)
「常識では考えられないようなレースでした。雨やクラッシュ、それにともなうセーフティカーとピットストップによって、まるで運試しのような戦いになりました。自分にも多くのチャンスがあっただけに、それをつかめずリタイアに終わったのはとても残念です。レース終盤、僕はアルボンと数周にわたって争っていましたが、接触してフロントウイングが外れ、それによってパンクしたためにマシンを止めざるを得ませんでした。言葉が見つかりませんが、こういうレースでポイントを獲得できなかったのは悔しく感じています。スタートでは、ホイールスピンを喫してスピードを上げられず、ターン1にかけてポジションをかなり落としたことで追い上げが大変でした。今日のようなコンディションでは、いつピットインするのか、もしくはしないのかという判断に運が絡むものです。ただ、ペースはよかったので、次戦のハンガリーに向けてプッシュし続けていきます」
その次戦ハンガリーGPは連戦となり、決勝は8月4日に行われる。トロロッソとレッドブルの戦いも見ものとなってきた。