2019年7月31日、出光興産(トレードネーム:出光昭和シェル)が岐阜県飛騨市と高山市で超小型EVによるカーシェアリング事業「オートシェア」の実証実験を8月1日から開始すると発表した。

超小型EV「タジマ ジャイアン」を使用

現在、世界の石油元売り会社はエネルギー新時代を見据えて、化石燃料を中心とした事業の転換を図っているところが多い。今回の出光興産の取り組みもそのひとつと言えるだろう。

従来からあるSS(サービスステーション)ネットワークを活用して、超小型EVのシェアリング事業を展開しようというもので、まずは岐阜県飛騨市と高山市を拠点として実証実験を行う。

カーシェアリングはすでに様々なところで事業として展開されているが、その課題のひとつに“稼働率の低さ”があるという。

その対応策として「オートシェア」はモデルケースを3つ想定した。まずモデルAは「平日は営業車として法人が利用し、休日は市民や観光客が利用する」。モデルBは「法人の社宅が平日、休日ともに利用する」。そしてモデルCは「常に市民、観光客が利用する」というものだ。

今回の「オートシェア」はモデルAとモデルCについての実証実験となる。そして、このモデルケースに最適な地域として選ばれたのが、観光客が多く、さらに地元の企業活動が活発な飛騨市と高山市というわけだ。

まずは当地の出光SSを展開している牛丸石油を通じて、飛騨市の道の駅「スカイドーム神岡」に2台、高山市のホテル、金融機関など4カ所に5台、計7台の超小型EVが配備される。

画像: 高山市役所で開催された実車の披露会。飛騨市と高山市の副市長と関係者によるテープカットが行われた。

高山市役所で開催された実車の披露会。飛騨市と高山市の副市長と関係者によるテープカットが行われた。

そして、この超小型EVはタジマモーターコーポレーションの「タジマ ジャイアン」だ。同社はラリーなどで活躍した田嶋伸博氏が率いる会社。「タジマ ジャイアン」はB to Bの今回のような事業のために開発された超小型モビリティで、今回、初めて一般ドライバーが利用できるようになる。充電は家庭用100Vコンセントで行うことができ、6〜8時間の充電で130kmの走行が可能、最高速は45km/hだという。

予約はKDDIが提供するカーシェアリング予約システムを使用、公式サイト(https://auto-share.jp)から無料で会員登録をすることで誰でも利用できる。なお、利用料金は、15分:350円、3時間パック:3500円、6時間パック:6000円とのことだ。

この実証実験は8月1日からまず1年間、実施される。その後は全国各地で展開される可能性もあり、石油元売り会社の新事業として、また、地方創生の新事業として今後の動向が注目される。

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