チャイルドシートを使用しない「そのまま着座」は危険!
警視庁とJAFが共同調査した『2018年チャイルドシート使用率データ』を見てみると、チャイルドシートの使用率は1歳未満が84.4%、1~4歳が67.9%、5歳が44.1%、6歳が66.2%となっています。また、チャイルドシートは装着しているもののチャイルドシートのベルトをせず、そのまま着座しているというのが、1歳未満が1.6%、1~4歳が17.4%、5歳が6.0%、6歳が5.6%でした。
そのまま着座している数値が多い1~4歳は、ちょうど「イヤイヤ期」といわれる2歳児を含めて、ベルトで固定されて自由に動けないと大泣きする子どもも少なくありません。それがかわいそうとかストレスになるといった理由で、とりあえず座らせればいいやと思ってしまうお母さんの気持ちも見て取れます。でも、そこは心を鬼にして、泣いても騒いでもしっかり座らせてベルトをしましょう。
子どもの命を守るチャイルドシートです。ただ座らせているだけでは、追突されたり、急ブレーキをかけた時など、子どもは投げ出されて大けがを負ったり、死亡したりする危険があるのです。
ところで、チャイルドシートには、クルマのシートベルトを使って装着するシートベルト固定タイプと、クルマの後席に装備された取り付け金具(ロアアンカー)にチャイルドシート側の金具をカチッとはめて固定するISO-FIX(アイソ フィックス)固定タイプがあります。
クルマへの取り付け状況調査では、チャイルドシートを使用しているのに正しく取り付けられていないミスユースありが、乳児用、幼児用を合わせて61.6%と、半数以上の方が正しく装着できていないという結果でした。これは、シートベルト固定式とISO-FIX両方の場合です。なかでもミスユースが多かったのは、シートベルト固定式での「腰ベルトの締め付け不足」。乳児用で70.9%、幼児用で64%となっています。
このことから、せっかくチャイルドシートを装着したのにグラグラするというケースが少なくないことが想像できます。また、取り付けミスなしで確実・簡単といわれるISO-FIXでも、取り付け金具の不備・誤使用、ISO-FIXサポートレッグの調節不良やトップテザーの調節不良などがわずかながらありました。
では、次回はチャイルドシートの取り付け方のコツなどをお話ししましょう。(文:緒方昌子/写真:ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパンほか)