9月15日にツインリンクもてぎで行われたピレリスーパー耐久シリーズ第5戦において、ST-TCRクラスでModulo CIVIC TCRが第4戦に次ぐ2連勝。ランキング上位のアウディ、ゴルフ勢が下位に沈んだこともありシリーズポイントが僅差の状態で最終戦を迎えることとなった。

予選はアウディが席巻

画像1: 予選はアウディが席巻

9/11付けで更新されたTCR車両のBOPによりアウディRS3とホンダCIVICの最低重量が変更され、CIVICはRS3より100kg重い状態で残り2戦を戦わなければならない。その影響もあり予選ではトップ3をアウディ勢が占めた。ST-TCRクラスは65号車Phenomen Mars Audi RS3 LMSを先頭に5時間の決勝レースがスタート。

画像2: 予選はアウディが席巻

33号車Audi RS3 LMSのスタートドライバー柳田真孝は3番手から徐々に順位を上げ、65号車RS3がブレーキトラブルでポジションを下げるとトップに浮し、19号車BRP Audi Mie RS3 LMSもそれに続く。車重の重い97号車Modulo CIVICは一旦10号車IDI GOLF GTI TCRの後ろに下がり、序盤はブレーキを労わりながらの走行。

画像3: 予選はアウディが席巻

全車がルーティンのピットストップを終えた後の1時間40分経過後にFCYが導入、やがてSCとなり2回目ピットインを行うチームとコース上にステイするチームとで戦略が分かれる。この時点でトップは22号車、2番手に33号車のアウディ1-2体制。

3度のFCYが流れを変える

画像1: 3度のFCYが流れを変える

スタートから2時間30分が経過しレース折り返し地点となるが、ピットストップウィンドウを広めに取る作戦の97号車CIVICは2度目のピットインを遅らせていた。やがて2時間45分が経過、この日2度目のFCYが導入されると待っていたかのようにピットイン。ロスタイムを最少に押さえて2番手にポジションを上げる。

画像2: 3度のFCYが流れを変える

同じくFCYを利用し2度目のピット作業を行った22号車RS3は、ここで千代勝正を投入。FCY解除後は他車より2秒速いペースで見る見る2番手以下との差を広げマージンを稼いでいく。できるだけ長く千代にドライブさせたいのだが僅か45分後に3度目のFCYが導入となる。残りは1時間20分、最後のピットストップとしてはベストなタイミング。これは戦略上ピットインせざるを得ない。

画像3: 3度のFCYが流れを変える

3回のピットストップのうち2回をFCYのタイミングに合わせ込んだ97号車CIVICは、最後にDドライバーながらチームの「若きエース」大津弘樹にトップ追撃を託す。FCY解除後の残り時間は約1時間15分、今度は97号車CIVICがドライバー交替した22号車RS3に2秒以上速いタイムで差を詰めていく。

奇跡を起こす2連勝

画像1: 奇跡を起こす2連勝

ピットアウト後30分もかからずに22号車RS3を仕留めた97号車CIVIC大津は、やがて2位以下に1分以上の大差をつけ5時間のレースで131周を周回しST-TCRクラスのトップチェッカーを受けた。逆転チャンピオンが現実味を帯びてきたことでチームが歓喜で出迎える。

画像2: 奇跡を起こす2連勝

97号車CIVICは今シーズン前半3戦で2回のリタイヤ、チャンピオンシップは絶望的に思えた状態からの後半戦2連勝。どちらもボーナスポイント対象であったのと、ランキング上位のアウディ勢が揮わなかったことで奇跡的にシリーズ連覇の可能性が見えてきた。3位入賞の33号車RS3もスポット参戦ながらシリーズに影響を与える存在に。

スーパー耐久シリーズ第5戦 ST-TCRクラス決勝結果(完走9台)
1位 97 Modulo CIVIC(植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹)
2位 22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS(堀主知・ロバート/千代勝正/KIZUNA/リー・ジャンウー)
3位 33 Audi RS3 LMS(阿野雅樹/富田竜一郎/柳田真孝/中原英貴)
4位 19 BRP Audi Mie RS3 LMS(太田佑弥/松本武士/篠原拓朗)
5位 10 IDI GOLF GTI TCR(フィリップ・デヴェサ/密山祥吾/ジェイク・パーソンズ)
6位 501 KCMG Annika CIVIC TCR(ポール・イップ/ジョシュ・バートン/ヘンリー・リー)
7位 75 AZIMUTH CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/松本和之/清瀧雄二)
8位 65 Phenomen Mars Audi RS3 LMS(松井猛敏/加藤正将/下山征人/今村大輔)
9位 45 BRIN・NAUB RS3 LMS(竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵)

混迷のシリーズランキング

画像: 混迷のシリーズランキング

最終の岡山戦を残すのみとなった2019シリーズランキング、未勝利ながら10号車GOLFがトップに立っている。しかし2位3位の97号車CIVIC、45号車RS3とは僅か0.5ポイント差。さらには19号車RS3も3ポイント差に着けており、この4台は次戦で勝てば自力でチャンピオン獲得となる。まさしく3メーカー三つ巴、がっぷり四つに組むという状態。また可能性は低いが、これら4台に何かしらトラブルが発生すれば、65号車、22号車にもタイトル獲得のチャンスは残されている。2019シーズンを締めくくる最終戦は他の選手権がすでに終了している11月10日、岡山国際サーキットで行われる。
(PHOTO:井上雅行)

2019シリーズポイントランキング ST-TCRクラス(全6戦中5戦終了時)
1位 79.5pt 10 Adenau(GOLF GTI TCR)
2位 79pt  97 Modulo Racing with DOME(CIVIC typeR TCR)
3位 79pt  45 Team DreamDrive(RS3 LMS)
4位 76.5pt 19 バースレーシングプロジェクト(RS3 LMS)
5位 70.5pt 65 Audi Team Mars(RS3 LMS)
6位 65.5pt 22 WAIMARANA KIZUNA Racing Team(RS3 LMS)
7位 58pt  108 RFCレーシング(CIVIC typeR TCR)
8位 52pt  75 Team Moah(CIVIC typeR TCR)
9位 39pt  501 KCMG(CIVIC typeR TCR)

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