これから赤ちゃんが生まれて、新しい家族が増える! と楽しみにしている読者諸氏のために、チャイルドシートについてあらためて考えてみたい。今回は盲点とも言える、使用するときに気をつけなければいけないことだ。(写真はすべてイメージです)

チャイルドシートの肩ベルト調整は重要なポイント

先日、知人から「チャイルドシートのハーネスの肩ベルトがときどき肩ヌケしていることがあって、びっくりしました」という話を耳にしました。月齢11カ月の男の子でしたが、どんな状態で乗せているのか見せていただくと、緩めてあった肩ベルトを肩から掛けた後、タング(留め具)をバックルにカチッと止めました。ところが、その後にハーネスを体に密着させることをしていませんでした。肩ヌケの原因は、ハーネスを体にフィットさせるように調整していなかったことでした。

画像: 肩ベルトの高さが適正でないと、もしものときに子どもの安全性が守れない危険性がある。

肩ベルトの高さが適正でないと、もしものときに子どもの安全性が守れない危険性がある。

このようなケースは、少なくなくありません。国土交通省のチャイルドシートコーナーでも、肩ベルトの調整をしていなかった子どもがチャイルドシートから抜け出して、チャイルドシートの肩ベルトが首にかかって命に関わる危険な状態になった事故があったことを報告しています。肩ベルトが子どもの身体にフィットしていないと、チャイルドシートから抜け出してとても危険な状態となるだけでなく、急ブレーキをかけたときや事故などのもしものときに、子どもの安全が守れない危険性があります。

画像: チャイルドシートのベルトは、子どもを乗り降りさせるたびに調整することが大切だ。

チャイルドシートのベルトは、子どもを乗り降りさせるたびに調整することが大切だ。

チャイルドシートのメーカーやタイプによって、ハーネスを密着させるために調整するベルト位置は異なりますが、多くはバックルの下側の座面からベルトがあります。ハーネスをバックルに留めただけにせず、必ず調整ベルトで鎖骨と肩ハーネスの間に指が1本入る程度に締めましょう。チャイルドシートのハーネスは、子どもを降ろす時には緩め、乗せるたびに肩ベルトの緩みを取って子どもの身体にフィットするように調整することが大切です。子どもを座らせるときには、シート形状に身体がフィットするように、お尻を座面の奥へ届くように座らせてあげましょう。

また、子どもの成長は早いもので、お座りができる月齢6カ月頃から10カ月の間の成長は著しくて、ハーネスの肩ベルトの高さ位置も変わってきます。うっかりしがちですが、子どもの肩よりも低い高さのままでハーネスを絞めると、子どもはきゅうくつでたまりません。よく「月齢が小さいうちはぐずらなかったのに」という声を耳にしますが、自我の芽生えだけでなく、きゅうくつにしばりつけられていることが原因でぐずっているケースも少なくないので、ぜひ確認してみましょう。

画像: チャイルドシートの背面には、調節方法などが記載されているものが多い。よく読んでおこう。

チャイルドシートの背面には、調節方法などが記載されているものが多い。よく読んでおこう。

ハーネスの肩ベルト位置は、チャイルドシートに子どもを座らせて、正面から見て肩よりすぐ上の位置の肩ベルトの高さにします。最近のチャイルドシートは、背面にあるレバー操作だけで肩ベルトの高さを調整できるタイプも多くなりました。子どもの成長に合わせて、こまめに肩ベルトの高さチェックをすることも大切です。(文:緒方昌子/写真:ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパンほか)

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