11月10日に岡山国際サーキットで開催されたピレリスーパー耐久シリーズ最終戦において、ST-TCRクラスのBRP★Audi Mie RS3 LMSが今季2勝目をポール・トゥ・フィニッシュで飾り、クラス年間チャンピオンを獲得した。

上位4台が2ポイント差にひしめく

画像1: 上位4台が2ポイント差にひしめく

ポールポジションを獲得したのは19号車BRP★Audi Mie RS3 LMS、1ptを獲得しランキング4位は変わらないもののトップとの差は僅か2ptに。これにより19号車、97号車Modulo CIVIC、45号車BRIN・NAUB RS3 LMS、10号車IDI GOLF GTI TCRの4台中、最も上位でゴールしたマシンがチャンピオン獲得という状況にほぼなった。決勝レースはスーパー耐久シリーズ中で最も短い3時間、スプリント要素も含み荒れた展開が予想された。

画像2: 上位4台が2ポイント差にひしめく

19号車アウディが一旦3番手に下がりペースをコントロール、すると替わってトップに立ったのは97号車シビック。10号車ゴルフが背後に付けるが、やがて97号車シビックはその差を広げ独走状態に。19号車アウディはジェントルマンドライバー太田佑弥の走行時間をミニマムに押さえ、スタート後約40分で篠原拓朗へとチェンジ。その後10号車ゴルフはジェイク・パーソンズから密山祥吾へ。97号車シビックはFCY(フルコースイエロー)待ちだったが、やがてプラチナドライバー中野信治のリミット走行時間70分を迎えピットイン、植松忠雄へと交替した。

画像3: 上位4台が2ポイント差にひしめく

1回目のピット作業が終了した中でのトップは19号車アウディ、そして2番手に97号車シビック、だがその差は僅か。チャンピオン争いは事実上この2台のマッチレースとなった。そして皮肉な事に97号車がコース復帰した約10分後に他クラス車両のアクシデントによりFCY、やがてSC導入となる。

FCY~SC下での奇襲

画像1: FCY~SC下での奇襲

このSCを利用して19号車アウディは2回目のピットインを早めドライバー交替を敢行する。レースの残りは約半分の1時間30分、このロングスティントを託されたのは先日のTCRジャパン・サンデーシリーズでチャンピオンとなった松本武士。一旦SCの車列最後尾まで下がったがSC解除後には他車を次々とパス、やがてトップの97号車シビックの背後まで迫る。この時点で97号車シビックには後1回ピットストップが残されている。レースは折り返し地点を過ぎたばかりだが、19号車アウディが圧倒的優位に立つことになる。

画像2: FCY~SC下での奇襲

その後97号車シビックはタイヤに違和感を感じたこともありペースを落とし、再び19号車アウディがトップに立つ。やむなく97号車はタイヤ交換のスケジュールを早め2度目のピットへと向かう。最後のバトンを受けたのは大津弘樹、タイヤを労わり走行する19号車を射程に捉えるべくファステストラップを叩き出しながら果敢にスパートをかける。

画像3: FCY~SC下での奇襲

しかしその追い上げの最中、97号車シビックの左フロントタイヤがバースト。ピットインし修復するが、これでクラス6番手に下がる。最後まで追い上げ何とか5番手までポジションを上げるが、シリーズ連覇の夢は絶たれることになった。

3年目で掴んだチャンピオン

画像1: 3年目で掴んだチャンピオン

3時間のレース、周回数は104周を数えバース・レーシング・プロジェクトが参戦するST-TCR、ST-Z両クラスのマシンを並べてチェッカー。FCY、SCを巧みに利用してST-TCRクラスのチャンピオン決定を優勝で飾ることとなった。

画像2: 3年目で掴んだチャンピオン

2位には501号車KCMG Annika CIVIC TCRが予選でのクラッシュからマシンを修復して初の表彰台。22号車WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMSは、プラチナドライバー千代勝正の手を借りることなく堂々の3位。松本武士、篠原拓朗らTCRジャパンに参戦する2選手を擁したBRPが今季2回目の表彰台中央へ、中でも松本はTCRジャパン・サンデーシリーズと合わせ2冠を達成した。
(PHOTO:井上雅行)

スーパー耐久シリーズ第6戦 ST-TCRクラス決勝結果(完走7台)

1位 19 BRP Audi Mie RS3 LMS(太田佑弥/松本武士/篠原拓朗)
2位 501 KCMG Annika CIVIC TCR(ポール・イップ/マシュー・ホーソン/ジム・カート)
3位 22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS(堀主知・ロバート/千代勝正/KIZUNA/リー・ジャンウー)
4位 75 AZIMUTH CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/和田慎吾/清瀧雄二)
5位 97 Modulo CIVIC(植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹)
6位 45 BRIN・NAUB RS3 LMS(竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵)
7位 10 IDI GOLF GTI TCR(フィリップ・デヴェサ/密山祥吾/ジェイク・パーソンズ)

2019シリーズポイントランキング ST-TCRクラス

1位 91.5pt 19 バースレーシングプロジェクト(RS3 LMS)
2位 88pt 97 Modulo Racing with DOME(CIVIC typeR TCR)
3位 86pt 45 Team DreamDrive(RS3 LMS)
4位 84.5pt 10 Adenau(GOLF GTI TCR)
5位 78.5pt 22 WAIMARANA KIZUNA Racing Team(RS3 LMS)
6位 66.5pt 65 Audi Team Mars(RS3 LMS)
7位 63pt 75 Team Moah(CIVIC typeR TCR)
8位 58pt 108 RFCレーシング(CIVIC typeR TCR)
9位 55pt 501 KCMG(CIVIC typeR TCR)

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