2019年6月19日に発表された新型メルセデス・ベンツGLEは、アルミやハイテン材を多用した新しい骨格を使用し、ボディサイズを拡大しながら軽量に仕上がっているのが特徴。サイズアップにより3列シート7人乗りが実現し、ふたつのワイドスクリーンで構成されるデジタルコクピットや自然対話式インフォテインメントシステムのMBUXなど、最新装備が採用されているのも注目点だ。ラインアップは2L直4ディーゼルターボのGLE300d、3L直6ディーゼルターボのGLE400d、3L直6ターボのGLE450の3モデル。今回は新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」から、GLE300dとGLE450を中心とした試乗記をお届けしよう。

ボディサイズが拡大されて3列シート7人乗りに

新しい世代に切り替わったGLE。一番大きく変わったのは、ボディサイズが拡大され、3列シート仕様7人乗りとなったことである。

最初にこうした情報を聞いたときに、「GLSが必要なくなる」と思ったものだ。GLSの説明は改めて必要ないだろう。GLに「S」が付けられているように、メルセデスのSUVラインアップの最上級モデルである。その存在を脅かすような新型GLEはどのようなクルマなのか。

ボディサイズは全長4940×全幅2020×全高1780mm(GLE450)、ホイールベース2995mmである。さすがに全長が5.2mを超えるGLSには届かないが、それでも全幅はともに2mを超えている。この大きくなったボディサイズが3列シートを可能にしたのである。ちなみにGLEのホイールベースは従来より80mm延長されている。

その3列目に座ってみると、さすがにGLSほどの余裕はないが、それでもしっかりと座ることができる。エマージェンシー用ではない。ただし長時間ここに座っているのは大人なら正直つらいかもしれない。そんなときはやはりGLSが必要なのである。

2L直4ディーゼルターボの300d、3L直6ディーゼルターボの400d、3L直6ターボの450に試乗した。日常使いなら300dで十分に満足できる。メルセデスらしい直進安定性の高い走りは健在で1000万円を切るプライスも魅力である。

好印象だったのは450である。前述のような大きなボディ、約2.4トンある重さを意識させない軽快さが感じられた。ハンドルを握っているとまるでひと回り小さなクルマに乗っているように感じられるのである。切った分だけ曲がる感覚で、思ったとおりのラインを走らせることができるダイレクト感も強い。つまりクルマとの一体感が感じられる気持ちいい走りが楽しめるのである。

このGLEは、AIを採用し学習機能を持った自然対話型ユーザーエクスペリエンスMBUXが採用され、先進の安全運転支援機能も搭載されていることも特筆すべきポイントである。さらに前後100-0%〜0-100%でトルク配分を行う連続可変式4マティックを採用し悪路走破性も高い。

全方位で進化した新型GLEは、このクラスでは今、一番完成度の高いSUVだと言っていいだろう。(文:千葉知充/新刊ムック「Motor Magazine 輸入車年鑑 2020」より)

画像: 2019年6月に発表された新型メルセデス・ベンツGLE。車両価格は954万円〜1170万円。写真のGLE300dはベーシックモデルという位置づけ。

2019年6月に発表された新型メルセデス・ベンツGLE。車両価格は954万円〜1170万円。写真のGLE300dはベーシックモデルという位置づけ。

メルセデス・ベンツGLE300d 4マティック 主要諸元

●全長×全幅×全高:4930×1950×1770mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:2290kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:1949cc
●最高出力:245ps/4200pm
●最大トルク:500Nm/1600-2400pm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:12.5km/L
●車両価格:954万円

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