ラグジュアリー性とスポーツ性を高次元でバランス
BMW MとBMWアルピナ、どちらもBMWモデルをベースによりよい性能を引き出し、またプラスすることを目指しているブランドである。そしてアルピナは、サーキット領域での走行性能・速さを追求するMモデルとは異なり、豪華で快適で、そして余裕ある速さを追求している。そのためにエンジンの組み立てを含む工程をマイスターによる手作業で行なっているという。
このBMWアルピナはセダンだけでなく、ツーリングワゴンやSUVをベースにしたラインアップを揃えているが、今回その中でも5シリーズセダン/ツーリングをベースにしたモデルのマイナーチェンジを発表、予約の受付を開始した。日本市場で販売されるモデルは大きく分けて3つあり、D5 SリムジンとB5 リムジン、B5 ツーリングとなる。
D5 Sリムジンは、3L 直6ディーゼルツインターボエンジンを搭載した48Vマイルドハイブリッドモデルで、従来モデルと比較するとパワーは21ps向上して347ps/730Nmを発生する。この最大トルクは1750〜2750rpmで発揮することから、静止状態からわずか4.8秒で100km/hまで加速する性能を持つ。
また、11psを発生する48Vスタータージェネレーターによって効率化でけでなく、エンジン再始動時の振動低減にも作用する。パフォーマンスの高さはもちろんだが、街中や高速域など低回転域での快適性を高められたモデルと言える。
また、BMW xDriveの4WDシステムをベースに、独自のトルク配分を行う制御を採用している。こうした独自セッティングは電子制御式ショックアブソーバーや電気機械式ステアリングの制御にも採用され、トラクションを高めるだけでなく快適性重視のスポーツ走行性能、ハンドリングを獲得している。
一方のB5リムジン/B5ツーリングには、621ps/800Nmを発生する4.4L V8ツインターボエンジンが搭載される。ガソリン仕様ながら、この大トルクは2000rpmという低回転域から5000rpmまで幅広い領域でフラットに発生し、実用的なポテンシャルを持つ。従来モデルより13ps高められたことにより0→100km/h加速は0.1秒短縮してB5リムジンで3.4秒、B5ツーリングで3.6秒を記録する。
ZF社との協力によって特別設計された8速ATを介し、またB5のスポーティさに合わせた後輪重視の駆動設定を与えられた4WDシステムを導入する。さらに、ドライブモード(コンフォート/スポーツ)を切り替えることによって排気系に採用されたアクティブエキゾーストフラップも作動し、控え目なサウンドとV8エンジンらしいパワフルなエキゾーストノートを楽しむこともできる。
D5 SもB5も、アルピナ伝統の20スポークデザインの20インチホイールを装着し、ばね下重量の軽量化によって俊敏性を高めているという。このほかにもコンフォートシートや手作業で仕上げられた専用ステアリングホイール、HiFiスピーカーシステムなどにより、すべての座席で快適性を高めている。
いずれも予約注文の受け付けてを始めており2020年7月に生産を開始、2021年春頃の導入を予定しているという。
BMWアルピナ D5 S/B5 車両価格
D5 S リムジン(右ハンドル):1358万円
B5 リムジン(左ハンドル):1898万円
B5 リムジン(右ハンドル):1939万円
B5 ツーリング(左ハンドル):1977万9000円
B5 ツーリング(右ハンドル):2018万9000円