予選順位が他のグランプリ以上に重要
トラブルやアクシデントが続出し波乱の展開となった開幕戦、涼しい天候の中でルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の圧勝に終わった第2戦。同じサーキットでもまったく違うレースとなったことをふまえ、第3戦ハンガリーGPを考察してみよう。
ハンガロリンクはレッドブル・ホンダが得意とするサーキットと言われており、昨年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポールポジションを獲得。決勝レースでもスタートダッシュを決めてそのまま逃げ切ろうかという展開になったが、ハミルトンがまさかの2ストップ戦略で終盤に大逆転を飾っている。
今年はどのような展開になるのか。レッドブル・ホンダとメルセデスAMGの差はそれほど大きくはなく、ちょっとした状況の変化で形勢は逆転する可能性があり、タイヤ戦略も含めて、チームとしての戦略が重要になってくる。また気温が高くなるという予報も出ており、これも大きなポイントとなる。
では、ハンガロリンクのコースをチェックしてみよう。ハンガロリンクはハンガリーの首都ブダペストから北東約20kmの丘陵地帯にあるサーキット。約4.4kmの比較的短い全長に14のコーナーが待ち構えるタイトでトリッキーなレイアウトで、空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求されるコースとなっている。ひとつのコーナーで失敗すると、次のコーナーにいい形で入っていくことができないため、安定したマシンバランスが必要で、すぐに反応するマシンがここではいい結果を生み出す。
また、コース幅が狭くうねっているため、オーバーテイクが難しいことでも知られている。7月の気温は高く、その地形から熱がこもりやすく、クーリングも重要となる。また丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすいのも特徴だ。
オーバーテイクが難しいとなると予選順位が重要となるが、短くタイトなレイアウトのためトラフィックが発生しやすく、予選でしばしば波乱が起きる。ただし、予選順位が重要ながら、データを見ると、ポールトゥフィニッシュは約30%と意外と高くない。序盤のポジション争いが重要なポイントで、そのためにできるだけいい予選グリッドを獲得する必要があるということだ。
タイヤを供給するピレリはハンガリーGPについて「ハンガロリンクは平均スピードは高くありませんが、コーナーが連続しておりタイヤに優しいというわけではありません。とくにこの時期、熱による劣化は要注意です。昨年は2ストッパーが優勝を飾っていますが、タイヤ磨耗は全般的に少なく、やはり1ストップが主流となるでしょう。ハンガロリンクは車とドライバーの両方にとって非常に要求の厳しいコースであり、オーバーヒートが過去にいくつかのドラマを生んでいます」と分析している。
第3戦ハンガリーGPは、7月17日11時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は7月18日15時(日本時間22時)、決勝は7月19日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。
(参考)2019年F1第12戦ハンガリーGP決勝 結果
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 70周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+17.796s
3位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+61.433s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+65.250s
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+1周
6位 10 P.ガスリー (レッドブル・ホンダ)+1周
7位 7 K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)+1周
8位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+1周
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+1周
10位 23 A.アルボン (トロロッソ・ホンダ)+1周
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15位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+2周