Modulo NSX-GTが初ポールポジション
2020年のスーパーGT選手権は第4戦まで無観客で開催されることが決定している。土曜日に行われた予選では、Q1を大津弘樹、Q2を伊沢拓也が担当した64号車Modulo NSX-GTが圧倒的なタイム差でポールポジションを獲得。意外なことに伊沢自身の手でポールポジションを獲得したのはこれが初めてだということ。そしてGT500クラスで唯一ダンロップタイヤを使用するModulo Nakajima Racingが2017年鈴鹿1000km以来の勝利を手にすることができるのか、炎天下となった52周の決勝レースでのタイヤパフォーマンスはどうなのか。他チームにとって手の内が全く読めない不気味(と言っては失礼か)な存在感を醸し出していた。
MOTUL AUTECH GT-Rが序盤のトップ争いを制す
無難にトップスタート、順調にポジションをキープしていた64号車NSXだが、序盤のSCを挟んだ5周目のリスタートからはペースを上げられず、これに詰まった後続車を含んだ5台によるトップ争奪戦を演出してしまう。そして15周目、わずかにラインを外しアウトにはらんだ隙を見逃さなかった23号車MOTUL AUTECH GT-Rがトップの座を奪い取る。64号車はタイヤカスを拾ったのかその後5台に交わされ7位にポジションダウン。そしてトップの23号車GT-Rを追う2番手には38号車ZENT GR Supraがぴたりとつける。
トップに迫る RAYBRIG NSX-GT
しかしその38号車Supraを、100号車RAYBRIG NSX-GTが虎視眈々と狙っていた。翌16周目に38号車を捉えるとそのままトップの23号車を追撃態勢に。しかしここで水入りかと思える2度目のSCが入り一旦レースはリセットされる。23周目にレースは再開されるのだが、3番手の38号車がギアトラブルによりリスタートまでのペースが上がらずトップ2台に対し大きく後れをとってしまう。後続車はコントロールライン通過までこれを抜くことができないため、レース中盤以降の勝負権は23号車と100号車の2台に絞られることとなった。
振り返れば au TOM'S GR Supra
レース折り返し点を経過し、全車がピットインしても上位の2台のポジションは変わらず。その後3度目となるSCが入り差が詰まるが、2位を走行する100号車NSXに対し、ペースをコントロールしながらトップを行く23号車GT-Rが着実に勝利に向かってラップを重ねる。一方でその後方3番手争いは激しさを増していた。39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraを猛烈にプッシュする8号車ARTA NSX-GT、しかしその2台のバトルは8号車が39号車に追突するという形で終了してしまう。そしてその後方、ウェイトハンディで重いマシンを労るように走行していたポイントリーダー、36号車au TOM'S GR Supraが気づけば3位のポジションに。そして52周が経過し、真夏のサバイバルレースでトップチェッカーを手にしたのは23号車MOTUL AUTECH GT-R。開幕から不況、不運が続いたGT-R勢の留飲を下げる勝利となった。
GT500クラス 決勝結果
1位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2位 100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
3位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
4位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
5位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
6位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
7位 37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ)
8位 17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
9位 14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)
10位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
11位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーテンボロー)
12位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
13位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
GT500クラス ドライバーズランキング(上位10組)
1st 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(36号車 au TOM'S GR Supra) 41pt
2nd 平川亮/ニック・キャシディ (37号車 KeePer TOM'S GR Supra) 33pt
3rd 山本尚貴/牧野任祐(100号車 RAYBRIG NSX-GT) 26pt
4th 大嶋和也/坪井翔(14号車 WAKO'S 4CR GR Supra) 24pt
5th 塚越広大/ベルトラン・バゲット(17号車 KEIHIN NSX-GT) 23pt
6th 松田次生/ロニー・クインタレッリ(23号車 MOTUL AUTECH GT-R) 22pt
7th 中山雄一(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra) 17pt
8th 立川祐路/石浦宏明(38号車 ZENT GR Supra) 12pt
9th 平手晃平/千代勝正(3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R) 12pt
10th 伊沢拓也/大津弘樹(64号車 Modulo NSX-GT) 9pt
写真提供 GTA