2020年9月1日、ロールス・ロイス モーターカーズは「ベビー ロールス」と呼ばれるサルーン「ゴースト」のフルモデルチェンジをオンラインで発表した。

サイズとパワーはややアップ、インテリアは最高級の空間

ゴーストはフラッグシップ サルーンのファントムよりひとまわり小さいゆえに「ベビー ロールス」と呼ばれることもあるが、けっして小さいわけではない。初代のゴーストは2009年に発表され、ロールス・ロイスの歴史上でもっとも成功したモデルといわれている。

2代目となった新型ゴーストは、全長5546×全幅1978×全高1571mmと、初代よりも89mm長く、30mm幅広く、21mm高くなっている。ただしホイールベースは3295mmで変わっていない。ファントムやSUVのカリナンにも採用されているアルミ製スペースフレーム アーキテクチャーを新採用し、ボディパネルもすべてアルミ製となった。

画像: パルテノングリルは頂部の下にLEDを配して内側のバーを淡く照らす。

パルテノングリルは頂部の下にLEDを配して内側のバーを淡く照らす。

いかにもロールス・ロイスのサルーンらしい堂々たるスタイリングだが、「ポスト オピュレンス(脱贅沢)」というコンセプトに基づき、エクステリアはシンプルでスムーズな面で構成されている。伝統のパルテノングリルは、頂部の下に20個のLEDを配してグリル内側のバーを淡く照らす。スピリット オブ エクスタシーもパネルラインに囲まれずボンネット上に佇んでいる。

ボディサイドは、ひと筆で描いたようなまっすぐなラインがゴーストの長さを際立たせ、緩やかにアーチを描くルーフラインが躍動感をさりげなく主張する。リアエンドは、この躍動感を引き継ぐように絞り込まれ、現代のロールス・ロイスの特徴のひとつであるスクエアに近いテールランプは継承されている。ドアは開閉ともパワーアシスト付きだ。

インテリアもエクステリア同様、これ見よがしな飾りを排除して、素材の本質的な価値を活かしている。とはいえ、上質のレザーやウッド、メタルを採用し、1台あたり20枚の選別されたハーフ ハイドレザーや、338枚もの最高品質のパネルが使用されている。

ビスポーク(注文生産)では助手席側ダッシュボードに「GHOST」の文字を浮かび上がらせ、そのまわりに850個を超える小さな星を散りばめた「イルミネーテッド フェシア」も設定。これは、最近のロールス・ロイス車のシンボルのひとつになりつつあるスターライト ヘッドライナーを絶妙に反映させたものだ。

画像: インパネのデザインも変更された。天井にはスターライト ヘッドライナーも設定される。

インパネのデザインも変更された。天井にはスターライト ヘッドライナーも設定される。

パワートレーンは6.75Lに排気量アップされ、571psと850Nmを発生するV12ツインターボで、駆動方式は4WD、さらに4WS(後輪操舵)も採用している。プラナー サスペンションと呼ばれる新設計のサスペンションは「魔法のじゅうたんのような乗り心地」をさらに進化させ、カメラで前方の路面を読み取り、またGPSとも連携してサスペンションの調整やカーブでの最適なギアを選択する。

新型ゴーストは、ロールス・ロイス史上もっとも技術的に進歩したモデルだ。照射距離600m以上を誇るLED/レーザーヘッドライト、昼夜を問わず路上の歩行者などを検知して警告するビジョンアシスト、4カメラシステム、さまざまな先進運転支援システム、ヘッドアップディスプレイ、自動駐車システム、最新型ナビゲーションなど、あらゆる安全&快適装備を満載している。

日本仕様やの価格や導入時期については正式には発表されていないが、2020年内には日本でも実車を見ることができそうだ。また、ゴーストのクーペ版である「レイス」や、そのドロップヘッド(オープン)モデルである「ドーン」も、近い将来にはゴーストと同様のアーキテクチャーを用いてフルモデルチェンジされるのは間違いないだろう。

画像: エクステリアはシンプルでスムーズな面で構成されている。

エクステリアはシンプルでスムーズな面で構成されている。

■ロールス・ロイス ゴースト 主要諸元

●全長×全幅×全高:5546×2148×1571mm
●ホイールベース:3295mm
●重量:2490kg(DIN)
●パワーユニット種類:V12 DOHCツインターボ
●排気量:6.75L
●最高出力:420kW<571ps>/5000rpm
●最大トルク:850Nm<86.7kgm>/1600rpm
●トランスミッション:AT
●駆動方式:4WD
●最高速度:250km/h(リミッター作動)
●0→100km/h加速:4.8秒
●EU複合燃費:6.4〜6.6km/L

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