吸着クルミゴムで吸水&密着性をアップし、アイス性能を向上
トーヨータイヤの新しいスタッドレスタイヤ「オブザーブ ギズ2」が誕生した。冬の北海道サロマテストコースで、従来モデルと事前に乗り比べすることができたので、その試乗インプレッションをお伝えしよう。
最初にアイスドームの中でトヨタ プリウスに装着して乗った。当日の気温が高く、氷の表面をうっすら水で覆われる状態で、スタッドレスタイヤにとっても厳しい条件だ。従来モデルでもスタックすることなく走れたが、新しいオブザーブ ギズ2はより安心感があった。ブレーキの時の制動力は強く感じられたし、ハンドルを切った時に前輪が逃げずに曲がってくれるので安心だった。
実際にメーカーのテストでは、アイス路面で40km/hからの制動距離が従来品比で8%短くなり、夏に100km/hから水深1mmのウエット路面での制動距離は18%も短くなっているという。
なぜ性能アップができたのかその技術を調べてみると、大きく変わったのはコンパウンドとトレッドパターンだ。氷上性能を上げるために新コンパウンドはよりしなやかになり、滑りの原因になる水膜を吸水する能力も高められている。また、これまでトーヨータイヤのスタッドレスで継承されてきた鬼クルミ殻は継続で採用している。
トレッドパターンは3本グルーブで構成されるが、そのうち2本は内側(ボディ側)に寄せられている。センター付近と外側のブロック剛性を上げてコーナリング時とブレーキング時におけるグリップ力のアップを狙っているのだろう。
次にアウディA4とトヨタ カローラスポーツに装着されて、雪上路面のハンドリング路でテストした。
A4はクワトロ(4WD)なのでトラクションのかかり方は十分だ。硬くなった雪道で操舵力は軽いものの、切っていけば曲がってくれるので問題ない。
カローラスポーツでは新しいギズ2の方が、コーナリングスピードが高く、レーンチェンジでの安定感も高かった。雪上グリップも向上したのは明確だった。
オブザーブ ギズ2は氷上、雪上のグリップ力が向上しただけでなく、経年変化による性能低下を抑制している。イメージ的には経年変化による性能の落ち込みが半分程度になっているという。柔らかいゴムほど経年変化によりゴムが硬くなり、氷上性能の低下が激しいものだ。走行距離が少ないユーザーは溝があるのに経年劣化でタイヤ交換する必要があったが、そんなユーザーにも嬉しいタイヤと言える。(文:こもだきよし)
トーヨータイヤ オブザーブ ギズ2 サイズリスト(全23サイズ)
リム径 | 扁平率 | タイヤサイズ |
---|---|---|
18 | 40 | 245/40R18 93Q |
18 | 45 | 215/45R18 89Q |
18 | 45 | 245/45R18 96Q |
18 | 50 | 245/50R18 100Q |
17 | 55 | 225/55R17 97Q |
16 | 55 | 205/55R16 91Q |
16 | 60 | 175/60R16 82Q |
16 | 60 | 205/60R16 92Q |
16 | 60 | 215/60R16 95Q |
15 | 60 | 185/60R15 84Q |
15 | 65 | 165/65R15 81Q |
15 | 65 | 175/65R15 84Q |
15 | 65 | 185/65R15 92Q |
15 | 65 | 195/65R15 91Q |
14 | 65 | 155/65R14 75Q |
14 | 65 | 175/65R14 82Q |
14 | 70 | 165/70R14 81Q |
14 | 70 | 175/70R14 84Q |
14 | 70 | 185/70R14 88Q |
13 | 65 | 155/65R13 73Q |
13 | 70 | 155/70R13 75Q |
13 | 80 | 145/80R13 75Q |
13 | 80 | 155/80R13 79Q |