パワートレーンを一新、初めての装備改良も
ボルボV90は電動化や高度な運転支援技術の搭載を見据えた「スケラーブル プロダクト アーキテクチャー(SPA)」プラットフォームを採用して、2017年に日本市場に投入された、ボルボの最上位に位置づけられるワゴンモデル。V90クロスカントリーはV90をベースにオフロード走破性を向上させたモデルとなっている。
今回はこのV90/V90クロスカントリーについて、国内導入後初めての内外装の一部改良を行うとともに、パワートレーンを大幅に改良した。
注目のパワートレーンは、従来の2Lディーゼルターボの「D4」、2Lガソリンターボの「T5」、2Lガソリンツインチャージャーの「T6」に代えて、あらたに48Vハイブリッド+2Lガソリンターボの「B5」、48Vハイブリッド+2Lガソリンツインチャージャーの「B6」を設定。従来の「Twin EngineT8」は新たにモデル名が「リチャージ プラグインハイブリッドT8」に改められた。
48Vハイブリッドシステムは、ISGM(インテグレーテッドスタータージェネレーターモジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行うもので、搭載される2L 直4エンジンは気筒休止システムも導入した第3世代のDrive-Eとなる。
ちなみにリチャージ(Recharge)は「外部充電可能」という意味から、今後ボルボの電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッドの呼称として使われていくという。
今回のパワートレーンの刷新により純粋なガソリンエンジン車およびディーゼルエンジンはV90/V90クロスカントリーのラインアップから姿を消したことになるが、ボルボは今後もパワートレーンの電動化を推進し、2020年内にプラグインハイブリッド以外のパワーユニットすべてに48Vハイブリッドシステムを組み込む予定だという。
内外装の一部改良は、エクステリアではフロントバンパー、リアバンパー、アルミホイールが新デザインとなったほか、リアランプのデザインも変更され、ウインカーがシーケンシャルタイプとなっている。
インテリアでは、「アドバンスト エアクオリティ システム ClearZone」が標準装備されたのが注目点。これは微粒子状物質を除去することで、車内空間を快適なものとする装備だ。またこのほか、ワイヤレススマートフォンチャージの標準装備、オプションのB&Wプレミアムオーディオシステムのアップグレードも行われている。
また、最新のボルボで導入が進められている180km/hの最高速度制限と、ケアキー(搭載されるキー2本のうち1本がケアキー)も装備される。ケアキーとはあらかじめ車両の最高速度をより低い速度に制限しておくことができるデバイスで、高齢の家族や初心者などが使用する際に有効という。技術面だけでなく、安全を実現するためにドライバーの行動にも配慮した。
新型ボルボV90/V90クロスカントリーのパワートレーンとラインアップは次のとおり。
ボルボV90/V90クロスカントリー パワートレーン
B5:Drive-E 2L直4ターボ(250ps)+電気モーター10kW+8速AT
B6:Drive-E 2L直4ターボ(300ps)+電気モーター10kW+8速AT
リチャージT8:Drive-E 2L直4ツインチャージャー(318ps)+電気モーター34kW/66kW+8速AT
ボルボV90 ラインアップ(車両価格:税込み)
V90 B5 モメンタム:714万円
V90 B6 AWD R-デザイン:884万円
V90 B6 AWD インスクリプション:884万円
V90 リチャージプラグインハイブリッド T8 AWDインスクリプション:1014万円
ボルボV90クロスカントリー ラインアップ(車両価格:税込み)
V90クロスカントリー B5 AWD:744万円
V90クロスカントリー B5 AWD プロ:834万円
V90クロスカントリー B6 AWD プロ:904万円
ボルボV90 B6 AWD R-デザイン 主要諸元
●全長×全幅×全高:4945×1880×1475mm
●ホイールベース:2940mm
●車両重量:1910kg
●エンジン:直4DOHCターボ+電動SC
●排気量:1968cc
●エンジン最高出力:300ps/5400rpm
●エンジン最大トルク:420Nm/2100-4800rpm
●モーター最高出力:10ps/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:8速AT
●車両価格:884万円